中国で2番目に大きなビットコイン(BTC)マイニングハードウェア製造会社のカナン・クリエイティブが、香港証券取引所で新規株式公開(IPO)を計画している。サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は9日、米国ではなく香港でIPOを行うことを同社が決定したと報じた。
SCMPはさらに、これが成功すれば、同社は香港市場に上場する初めてのブロックチェーン関連企業になると報じている。
この件に詳しい匿名の情報筋は、同社がIPOで10億ドルを調達しようとしており、前もって香港と米国の両方の市場を検討していたとSCMPに語った。
SCMPによると、カナンは16年に中国の元建てA株市場でIPOを行おうとしていたが、規制当局がこの計画の査定案に異議を唱え、その試みは失敗した。同社は17年に再び中国の「新三板」市場への上場を試みた。同市場は新興企業をターゲットにしており比較的規制が厳しくないのだが、この試みはまたもや失敗した。
カナン・クリエイティブは中国東部の杭州市に拠点を置いている。また、同社は17年の年間純利益が前年比600倍の4億1000万元(6400万ドル)であるとする未監査の財務データを1月に発表した。カナンの顧客の大半は、安価な電力のおかげで長年仮想通貨マイニングの超大国になっている中国から来ているとSCMPは報じた。
中国は17年、ブロックチェーン技術に関する特許を世界で最も多く出願したと報じられており、同年における世界のBTCマイニングの50〜70%を占めていたと言われている。
しかし、将来的に中国当局がBTCマイナーの電力使用を制限するといった仮想通貨分野への規制強化の可能性もある。もしそうなれば、カナンとその競争相手であるBTCマイニングメーカー大手のビットメインが行っているビジネスに大きな影響を与える可能性がある。ビットメインは、中国による規制を迂回しようと、カナダ、スイス、シンガポールといった海外での事業展開を拡大している。そして公式な発表はないがおそらく米国にも拡大していくだろう。