ビットコインのマイナー収益は今年2回目となる2019年初め並みの水準にまで低下している。こうした大きな下落は強気トレンドを兆候となっており、底値を示している可能性がある。

前回、マイナーの1日の収益が700万ドル前後で損益分岐点になったのは2020年3月13日だった。当時の大暴落では、100倍レバレッジで有名な仮想通貨取引所ビットメックスで3600ドルまで下落した。

3月13日にマイニング収益が急落したあと、ビットコイン価格は1万ドルまで上昇した。

Bitcoin miners revenue drop to early 2019 levels

(出典:Blockchain.com「マイニング収益推移」)

ビットコインは今後数カ月で昨年と似たようなトレンドに

マイニング収益の急落は、不採算の状況のために高いレバレッジをかけたマイニング業者の「降伏」を示している。

3月12日から13日にかけて24時間でビットコインが50%下落した際にマイニング収益が減少した。今回の収益下落は半減期によるマイニングエコシステムへの影響が原因のようだ。

半減期前は、マイニング業者は1日あたり約1800BTCの収益を上げていた。現時点では1日あたり900BTC程度の収益を上げていると予想される。

収益が半分になった一方で、ビットコイン価格は半減期前と同水準にとどまっていいる。こうした傾向は小規模業者や高いレバレッジをかけている業者にとって事業停止を引き起こしている。

一般的にこれは市場心理として冷え込みのピークを示している。価格が下落している間に採算が取れないマイニング業者が事業を停止し、効率の良い事業者が残ることで新たな強気サイクルが生まれるきっかけになる。

マクロ指標も強気に

ビットコインの毎日の発光量で相場の動向を図るマクロ指標「プエル・マルチプル」ではビットコインが底値に近いことを示している。

A macro indicator shows Bitcoin is nearing a bottom

(出典:LookintoBitcoin)

これは短期的には反落があるかもしれないことを示唆する一方で、2018年から2019年の上昇に見られたように強気トレンドに向けたギアをかけているように見える。

相対力指数(RSI)や移動平均収束拡散法(MACD)などのテクニカル指標も、上昇の余地を示している。

ビタズ・キャピタルの共同創業者であるMohit Sorout氏は以下のように述べている。

「ボラティリティのピークを背景に、BTCの主要なサイクルのトップとボトムがどのように表示されたかに注目しよう。単純に見れば、1万ドルが小さな中断であることがわかるだろう。」

Volatility index shows Bitcoin is not at a local top

(出典: Mohit Sorout

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン