仮想通貨ウォレットおよび分散型アプリケーション(DApp)プロバイダーであるメタマスク(MetaMask)は、米国のユーザー向けにPayPal経由でイーサ(ETH)を購入できる機能を開始した。米国は、MetaMaskの最大市場の1つだ。同社はPayPal経由でETH取引を提供する初のWeb3ウォレットであると主張している。

これにより、米国のユーザーは、メタマスクを使用してETHを購入する際にPayPalを支払方法として選択できるようになった。この統合により、PayPalからメタマスクへETHを転送することも可能になった。

PayPalは昨年12月、メタマスクの親会社コンセンシス(ConsenSys)と提携し、ユーザーにシームレスな仮想通貨購入とWeb3エコシステムの簡単な参入方法を検討するとしていた

PayPalは、既にメタマスクと統合されている幅広い支払プロバイダーのエコシステムに参加する。これには、コインベースペイ(Coinbase Pay)、ムーンペイ(MoonPay)、サーディン(Sardine)、トランザク(Transak)、ワイヤー(Wyre)などが含まれる。

米証券取引委員会への四半期報告書によれば、PayPalは2023年3月31日現在、9億4300万ドルの仮想通貨を保有しており、これは前四半期に報告された6億400万ドルから56%増加している。

今回の新たな統合は、メタマスクが直接法定通貨で仮想通貨を購入する新機能を発表した数週間後に来た。この新機能は「Buy Crypto」として知られており、ユーザーがデビットカードやクレジットカード、銀行振込を含むさまざまな支払い方法を使用して、さまざまな仮想通貨を購入することを可能にする。

189か国以上がこのサービスの対象となり、イーサリアム、ポリゴン、アービトラム、BNBスマートチェーン、アバランチェ、ファントム、オプティミス、Celoを含む8つのネットワークで90以上の仮想通貨がサポートされる。

メタマスクは、そのリーチを拡大し、顧客に向けたオンランプを提供するための統合とパートナーシップを積極的に推進している。その最近の取り組みの1つは、ナイジェリアでの仮想通貨への直接アクセスを拡大することを目指すものだ。仮想通貨フィンテック企業ムーンペイと提携することで、メタマスクは現在、アフリカの国でのユーザーが即時銀行振込で仮想通貨を購入できるようになっている。