シンガポール金融管理局(MAS)と11の金融機関が、トークン化された資産の取引を容易にするための基盤モデルを検討している。MASが6月26日に発表した「プロジェクトガーディアン」の報告書によると、オープンで相互運用可能なデジタル資産ネットワークが重要になるという。

プロジェクトガーディアンはプラットフォームの種類や資産の種類、ネットワークのアクセス方式に関して最適な方法を調査している。3つのテストケースを使用し、それらについての観察結果をまとめたものの、いずれのケースをプロジェクトガーディアンが推奨しているわけではないと強調した。

1つ目のケースは店頭外国為替取引だ。DBS銀行とSBIデジタルアセットホールディングスが協力した。その結果は以下の通りだ。

「パーミッション型流動性プールプロトコルでの取引は、摩擦の減少とリスクの最小化により、効率性が向上する。一方、トークン化資産はアトミック決済の利点をもたらす」

2つ目のケースは、スタンダードチャータード銀行による資産担保証券のトークン化に焦点を当てている。このモデルでは、トークン化された貿易金融受取資産がネイティブに発行される分割可能なトークンとして再構築され、異なるリスクエクスポージャーを持つ2つの部分に分けられる。リスクが低い「シニア」トークンの取引は「実体経済の資産に対する投資家基盤を拡大する」と報告書は結論づけている。

3つ目のケースは店頭取引仕組債で、これは「アジアの富裕層の間で大きな人気と需要を持つ裕福な管理製品」だ。現在、このような債券の発行は労力を必要とし、手動の要素が含まれ、高レベルのサービスが必要だ。

HSBC、マーケットノード、ユナイテッドオーバーシーズ銀行が作成したネットワークは、「トークンファクトリー」で店頭取引仕組債を生成し、パブリック、パーミッションレスのプラットフォームで当事者をホワイトリスト化することで、債券の作成と配布の効率性を向上させる。