マルタ証券取引所のフィンテック・デジタル資産子会社MSX PLCは11日、仮想通貨取引所バイナンスと、セキュリティトークン取引所を共同で開始することで覚書(MOU)を締結した。

 新しいセキュリティトークンの取引所は、マルタ証券取引所の「規制された証券取引所としての26年の実績」、バイナンスのダイナミズムと国際的な視野をもつビジネスモデルから恩恵を受けることが見込まれる。

 既報の通り、バイナンスは着実にマルタでの事業のプレゼンスを拡大している。マルタの仮想通貨に友好的な規制により、ブロックチェーン・アイランドとの愛称も使われている。また、CZとして知られているバイナンスのCEOは次のように述べている。

「マルタは、アクティブで透明性の高い仮想通貨規制により、ブロックチェーンテクノロジーのグローバルハブになっている。このパートナーシップにより、バイナンスとMSXは、セキュリティトークンを介してブロックチェーン技術で従来の金融資産を包摂することができる」

 マルタ証券取引所のジョー・ポッテリ会長は、このイニシアチブは「マルタの金融セクターを拡大、開発する新しい市場の機会」と述べた。

 バイナンスは、3月末にマルタに事務所を開設すると発表した。その後、日本の金融庁から未登録で日本で営業したことに関し警告を受けた。この夏の初め、CZはコインテグラフの独占インタビューで、バイナンスはマルタに銀行口座を開設し、仮想通貨と法定通貨ペアの取引導入に道筋を開いたと語った。その後、同社の関係者は、マルタベースのプラットフォームを開設する予定であることを示唆した。   

 バイナンスは現在、24時間の取引高は約8億2200万ドル(約917億円)で世界最大の仮想通貨取引所だ。CZは7月、ブルームバーグに対し、最近、国際事業をウガンダに拡大したバイナンスは、2018年に10億ドルの利益を上げることを期待していると述べた。