MakerDAOの共同創設者ルン・クリステンセン氏は、自律分散型組織(DAO)にとってDAIがある資産に縛られないことが唯一の選択肢であると主張した。仮想通貨ミキサーのトルネードキャッシュが制裁を受けたことで、米ドルステーブルコインのUSDコイン(USDC)がブラックリスト化されたことなどで資産への影響を考慮したものだ。

ブログ記事の中でクリステンセン氏は、リスク加重資産(RWA)に関する誤算を明かした。

「仮想通貨に対する取り締まりは、事前通知もなく行われる。正当で無実のユーザーであっても回復の可能性がない。これは、RWAのリスクを理解するために使用した2つの主要な仮定に違反しており、権威主義の脅威をより深刻なものにしている」

2つの仮定とは、「RWAを押収したり、ブラックリストや担保凍結など仮想通貨を取り締まろうとする試みは、無実の正当なユーザーが対応する時間を確保するため、事前に電報で告知される」ということと、「無実のユーザーがお金を回収できる道がある」ことだ。これまでにUSDCのブロックリストの影響を受けた人は資金を失っている可能性がある。

クリステンセン氏は、DAIもトルネードキャッシュと同様の攻撃を見舞われる可能性があるとしながらも、プロトコルが規制当局のコインプライアンスに準拠できないと主張。「Daiの意図と目的が常にそうであったように、分散化の道を選択しなければならない」と示唆した。

DAI collateralization data. Source: Dai Stats

同氏は、メーカーを分散化することで、プロトコル全体に対する取り締まりの影響を軽減できると考えており、「唯一の選択肢は、RWAエクスポージャーを担保全体の最大固定割合まで減らすことで攻撃からの影響を制限することであり、これには米ドルからのフリーフロートが必要だ」と付け加えた。

daistatsのデータで証明されているように、現在DAIの50%以上がUSDCによって担保されている。