仮想通貨イーサリアム(ETH)のコンセンサスアルゴリズムであるPoW(プルーフ・オブ・ワーク)に、ASIC(特定用途向け集積回路)への耐性を持つProgPoWを実装するかオンライン投票が行われ、大多数が実装を支持していることが2月15日に判明した。

現時点では、投票の76%以上(628.000ETH 83億円以上相当)がProgPoW実装に賛成し、23%以上(191.000 ETH以上、25億円以上)が反対票を投じている。

Voting portal投票結果画像(2019年2月16日午前11時時点)

ただ、この投票結果は拘束力を持っておらず、投票プロセス終了のスケジュールも設定されているわけではない。しかし投票ポータルは、ProgPoWに関する決定はetherトークン保有者に対して財政面や個人資産面で影響を及ぼすため、オンラインフォーラムで匿名でコメントするよりも、投票によって自分の立場を明確にする方が適切だと指摘している。

ProgPoWは、イーサリアム(ETH)の現在のPoWアルゴリズムETHhash(イーサハッシュ)を置き換えることを目的としており、マイニングなどに特化した特定用途向けICチップ(ASIC)に対する耐性を特徴としている。

ASIC耐性のアルゴリズムでは、マイニングにおいてASICを利用するメリットが(GPUのような汎用ハードウェアよりも)減少するものの、排除しているわけではない。

イーサリアム開発者がASICに難色を示す主な理由としては、ASICによるマイニングは特別なハードウェアが必要であることや参入障壁があること、中央集権化が進んでしまうことなどがあげられる。

ProgPoWは、イーサリアム(ETH)のコード寄稿者のひとりが、イーサリアム開発者はASICを受け入れるべきと提案して以降、論争となっている

イーサリアム(ETH)のコア開発者たちが、1月上旬にProgPoWアルゴリズムの実装について合意に達したものの、その後第三者による監査を終えるまで実装に関する決定が延期されている