仮想通貨ライトコイン、今夜半減期へ 無風?ビットコインのテスト?知っておくべきこと

仮想通貨ライトコイン半減期は本日午後19時ころに推定されている。価格高騰のきっかけになるという前評判があったが、半減期を前にここ1ヵ月で25%ほど価格が下落した。ライトコインの半減期について知っておくべきことをコインテレグラフが伝える。

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半減期とは?

半減期は、マイナーへの報酬が50%減る時に起こるプロセスである。マイナーは、ブロックチェーン上にできる新たなブロックを作るために高度な数学の問題を解いて報酬を得ている。報酬は仮想通貨ごとに異なっており、ライトコインの場合は1ブロックにつき25LTCを受け取る。本日、これが12.5LTCとなる。

ライトコインの半減期は、84万ブロックごとに半減し、4年に1度のペースで起きる。ライトコインの1ブロック生成には約2.5分かかり、1日に約576ブロックが作られている。

またライトコインはビットコインと同様、一定の供給量のコインがマイニングされる。これは理論的には永遠に印刷し続けられる法定通貨とは一線を画す特徴となっている。

最後のライトコインがマイニングされる日を推定するのは難しいが、ライトコイン財団は2142年になるだろうとみている。その時、8400万のライトコインが供給されることになる。執筆時点で6298万3450LTC、74.93%ほどがマイニングされている。

一方、ビットコインの最大供給量は2100万。2140年には最後のビットコインがマイニングされると見られている。

半減期は、投資家にとっても注目のイベントだ。マイニング報酬の減少は利益にも影響を与え、価格に跳ね返ると見られているからだ。

需要と供給の理論によれば、供給量が減ることから、仮想通貨の価格は上昇することになる。マイナーは、ブロック生成にかかる報酬が少なくなるのだから、再び利益が出るようになるまで生産を止めるだろう。

ただ半減期が、すでにボラティリティ(変動幅)に悩まされるマーケットにさらなる不安定要素を与えることになるという見方もある。

グーグルトレンドによると、「ライトコイン半減期」の検索数は6月9日〜6月15日の間にピークを迎えた。通常では「ビットコイン半減期」の方が検索数が多いのだが、この傾向は7月30日以降で逆転している。

Google search volume for Litecoin and Bitcoin halving

何が起きるのか?

半減期に向かってマイナーはリターンを最大化すべく生産量を増やしている。半減期後には利益が出なくなるからだ。マイナーは、ブロック生成に必要な数学の問題を早く解くために、パワーのある特別な機器に投資する必要がある。ブロック生成の難易度が上がるにつれて、電気代も上がる。マイニングは、もはや個人の趣味ではなく、大手マイニングファームがしのぎを削っているのだ。

実際、半減期後にマイナーは苦戦するというのは隠し事ではない。ライトコイン創設者のチャーリー・リー氏は、先日、半減期によって一部のマイナーが廃業になるのではないかという見方を示した

「マイニング報酬が半減すれば、一部のマイナーは利益を出せなくなるから廃業することになる。大きな割合でそうした事態になれば、ブロック生成は少しの間で遅くなるだろう」

またリー氏は、半減期による価格上昇はすでに織り込まれていると分析した。

「価格面で言えば、半減期はすでに織り込まれているはずだ。みんな最初から知っていることだからね。しかし、人々は価格が上昇することを期待するものだ。(中略)みんなが買っているから、実際の価格も上がっているという状況だ」

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ライトコインの2015年8月の半減期の時は、半減期までの7ヵ月間で価格はほぼ700%上昇。ただ、価格は1ヵ月前の7月にピークをつけ、半減期後は75%下落した。

シンクマーケッツFXのチーフマーケットアナリストであるナエーム・アスラム氏は、コインテレグラフの取材に対して、半減期はライトコインとってポジティブだという見方に賛成した。

マイナーへのインセンティブを減らすことはLTCにとって良いことだ。真剣な人のみこの業界に残ることを意味するからね。価格に関しては市場心理に左右されやすいので難しいが、一般的にはポジティブだ」

半減期後は、一部のマイナーが廃業する結果、ネットワークのハッシュレートは下がるだろう。そしてしばらくは大手のマイニングファームのみ運営可能になるかもしれない。ハッシュレートが一定の水準まで下がったら、採掘難易度が調整され、小規模なマイナーも復活するだろう。

需要と供給:専門家の考えは

多くの専門家は半減期をきっかけに価格が上昇するとは考えていないようだ。eToroのシニアアナリストであるマティ・グリーンスパン氏は、コインテレグラフの取材に対して、半減期は織り込まれていると述べた。

「ライトコインは今年の上昇相場で他の仮想通貨よりパフォーマンスがよかった。一部では今年前半の上昇トレンドを作ったのはライトコインとみる向きもある。短期では価格がどのように動くかはわからないが、長期では、供給減が高値をサポートすることになるだろう」

著名仮想通貨トレーダーのクリプトランドは、コインテレグラフとの会話の中で半減期が価格に織り込まれていることに同意した。

半減期が価格に影響を与えるとは思わない。ここ1か月で織り込まれている。LTCの値動きは堅いだろう。ちょうど88ドルにある重要なサポートから反発して下降トレンドチャネルを突破した。下降トレンドに勢いがなくなったら、105ドル〜110ドルまで戻ると思う。他の主要仮想通貨よりは、手堅いオプションに見える」

一方、アスラム氏は、今から半減期の波に乗るのは遅いと指摘した。

「最も大事なことは、このように前もって分かるイベントというのは、すでに完全に価格に織り込み済みであることだ。イベントが迫る中、これから参加しようとするのは賢い動きではない。スマートなマネーは、噂で買ってニュースで売る

またグリーンスパン氏は、ライトコインが採用するスクリプト方式に注目し、マイニング活動でもサプライズはないとみている。

「ライトコインのスクリプト方式のアルゴリズムはユニークであり、他のトークンが簡単に採用できるものではない。このため、他のコインで見られるようなハッシュレートを巡る競争はないのではないかとみている。また、ライトコインのマイナーは、半減期に備える時間がたくさんあった。大きな変化は見られないのではないか

ライトコイン保有者はどうすれば良いか?という質問に対してグリーンスパン氏は次のようにアドバイスした。

「持ち続けることだ。しかし、より重要なことは使うことだ。ライトコインの価値とは、より支払いに耐え売るトークンであるという点だ。より多くの人が使えば使うほど、ネットワークがより強固になる」

今回のライトコイン半減期は、来年のビットコイン半減期のテストという見方も出ている。グリーンスパン氏は、意味ある比較としつつも、完全に一緒ではないと警告した。

「前回のビットコインとライトコインの半減からマーケットは成熟した。当時と全く同じことを予想できないが、来年のビットコインにとって何か示唆するかもしれない」

クリプトランドは、2つの比較については疑問視している。

私はライトコインの半減期がビットコインのテストとは思わない。95%のトレーダー/投資家は、ライトコインの半減期に気づかないだろう。もしくは、それが何を意味するのか知らない。一方、ビットコイン半減期の場合、かなり大きなイベントになり、みんなが知ることになる」

マージドマイニング

一方、先日、バイナンスの研究部門は、ビットコインとライトコインの半減期に伴うマイニング業者へのショックが「マージマイニング(merged mining)」によて和らげられるかもしれないというレポート発表した

マージマイニングとは、ある仮想通貨のマイニングによって得られた計算結果を別の通貨でも共有すること。ネットワークのセキュリティーを高めることなどが狙いとしてある。

バイナンスは「新たなブロックチェーンがマージマイニングで追加されれば、マイナーは追加的な収入を得ることが可能で、双方(すべて)のチェーンのマイニングをし続けることができるかもしれない」と指摘。マイナー廃業に対する懸念に応えた。

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版