11月21日、仮想通貨取引所のQuoine(コイン)と大手リクイディティ・プロバイダーのB2C2の二者間で、シンガポールで初めてとなるビットコイン(BTC)絡みの訴訟が始まった。シンガポールに拠点を置く英字新聞ストレーツ・タイムズが伝えた

訴訟の争点は、2017年春に行われた仮想通貨取引の取り消しに関する申し立てだ。シンガポール国際商事裁判所(SICC)で法廷闘争が繰り広げられる中、B2C2は、B2C2が2017年4月に実行しようとした「7ビットコインを1イーサリアム(ETH)と交換する取引」をQuoine側が反故にしたと主張する。

裁判所の文書内に記されたQuoineの発言によると、取引の取り消しは、技術上の不具合に起因するものだという。B2C2が現在Quoineから回収しようとしている計3085BTC(約1370万ドル)も取り消しの対象だという。

B2C2は、Quoineによる取引の取り消しの決定は、B2C2の同意に基づいておらず、通知も無かったと主張する。

ストレーツ・タイムズは、「B2C2側の主張は、自身も重大なリスクを負っているため、(Quoine側も)取引に関して生じる金銭的損失を負う必要がある、というものだ」と説明し、裁判所の文書から次のように引用している

「Quoineは、そのようなリスクを軽減するために、単純に『(B2C2の主張では)不可逆的な』取引を取り消し、[中略] 口座から売却代金を差し引くという最も有利な方法を選択した」

Quoineによると、今回の取引は特異なものだったという。技術上の不具合に基づいて流動性に問題が生じた結果、B2C2は、10 BTC:1 ETHという「不合理な」為替レートで取引を実行されたと、Quoine側は主張し、さらにこう続けた。

「(上記2つの通貨が)当時、Quoineのプラットフォーム上で取引されていた平均価格と比べ、約250倍以上高かったことを考えれば、B2C2による注文は異常かつ不合理な値が付けられた注文だったと呼ぶほかない」

ストレーツ・タイムズは、裁判は1週間以内に収束するだろうと指摘する。

今年は、様々な地域の裁判所が、散発的に仮想通貨絡みの訴訟を扱ってきた。訴訟ではそれぞれ、しばしば法制化されていない事象にケースバイケースのアプローチが取られている。

9月には、中国の最高裁が、ブロックチェーンベースの証拠を訴訟手続での使用に適するものであると判断した。また、同じく9月、ニューヨーク州の連邦判事は、仮想通貨投資家への詐欺行為が疑われる事案に関し、米証券取引法の適用が可能であるとの判断を下している。

 

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— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年10月31日