ウォール・ストリート・ジャーナルの名物コラム「ウォール街の噂(Heard on the Street)」が4日、フェイスブックの仮想通貨リブラはMMF(マネー・マーケット・ファンド)に似ていると指摘し、今後厳しい規制にさらされるだろうと予想した

MMFは、米ドルなどの外貨で運用する外貨建ての投資信託。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、1シェア=1ドルで価値を保つために顧客の資金を短期債などに投資して運用。余剰利益の一部を顧客に戻していた。1970年代初頭以降、多くの企業や投資家が現金のマネジメント手段として使っている。

ただ、ウォール・ストリート・ジャーナルは、リブラの場合、フェイスブックと参加企業が余剰リターンをすべて持っていくと指摘。顧客にとって得なのは、資金移動の楽さだけだと伝えた。

また、MMFは金融危機で1シェアにつき1ドルを保てなくなる事態が相次いだことなどから、規制機関の目は厳しいと指摘。米国、英国だけでなく、今週には日本もリブラに対する懸念を表明したことを注視している。

リブラは、米ドルやポンド、円など主要法定通貨バスケットが裏付けとなることで価値の安定を目指している。

日銀の雨宮正佳副総裁は5日、リブラについて運営側も規制対応や経営の健全性、リスク管理体制の確保など責任ある行動が求められると述べた

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