フェイスブックの仮想通貨リブラはある経済状況下における消費者の福利面の改善につながるかもしれない。米連邦準備理事会(FRB)が研究論文の中で見解を示した

エコノミストのガース・ボーマン氏とジーン・フレミン氏によって書かれた論文では、リブラが提案する複数の通貨バスケットによるステーブルコインに注目。消費者の福利を「本質的に向上」させる可能性を指摘した。

「世界的な普及が進めば、ソブリン通貨の補助的な機能を果たすことでリブラは福祉面で本質的な向上に貢献するかもしれない」

ただFRBは、リブラに対する需要は限定的で「ソブリン通貨に取って代わるほどのいわゆるグローバルなステーブルコインになるかもしれないという不安は大げさだ」と指摘している。

リブラは、4月にホワイトペーパーの大幅な方針転換を発表している。従来からの提案である複数の通貨バスケットによる裏付けのほか、米ドルなど1つの通貨だけによる裏付けの方式も提案。リブラによる金融システムの安定性の阻害を懸念する米議会や関係者に譲歩した。