Ledger(レッジャー)は仮想通貨(暗号資産)ハードウェアウォレットで知られているが、同社の製品担当バイス・プレジデントのジャン・ミッシェル・パイホン氏によれば、昨年来、多くの企業がLedger Vaultを使用し始めている。この製品は、企業クライアントにカストディーソリューションを提供することに重点を置いている。実際、Ledgerチームは現在、その製品をマイクロストラテジーに販売しようとしている。

マイクロストラテジーはナスダック上場企業であり、2020年8月に大量のビットコイン(BTC)を準備資産として購入したと発表した。最近では、ジャック・ドーシー氏が率いる米決済企業スクエアが5000万ドル相当のビットコインを取得したと発表した。そのスクエアは、資産を保護するためのオープンソースのフレームワーク「SubZero」を開発した。

Source: Ledger.

パイホン氏は、どちらもデジタル資産の管理にハードウェアセキュリティモジュール(HSM)を採用していると述べた。HSMは、重要なデータを保護するために何十年も使用されており、一般的に難攻不落だと考えらている。SubZeroは優れたフレームワークかもしれないが、パイホン氏は、HSMの展開と管理の方法を知っているスクエアのようなテクノロジー企業に最適であると述べた。Ledgerは、これらをクライアント向けに設定し、「クライアントは必ずしもそれがどのように機能するかを知る必要はない。ソリューションを使用するだけでよい」と、パイホン氏は述べている。

私たちはパイホン氏に、マイクロストラテジーのような企業の仮想通貨管理をLedgerで行う場合について質問した。パイホン氏は、最初のステップの1つは、トランザクションの承認に関与する人数を決定することであり、通常のセットアップでは「2 of 3」の署名が必要になると述べている。おそらく、CEO、最高財務責任者、そしえて法律顧問がそれぞれ1つの署名を持つことになるという。すべての秘密鍵はHSMに保存される。同時に秘密鍵の一部はいくつかの物理的な保管庫に保管される場合もある。

企業の役員がトランザクションを開始したい場合、彼はLedger Vaultにログインし、目的のトランザクションを入力する。次に、3つの署名者すべてに通知が送信される。それを承認するには、ログインしてLedger Blueハードウォレットをコンピュータに接続する必要がある。最後に、彼らはトランザクションに署名するために独自のLedger Blueピンを入力する。最小数の署名がまだ承認されていない場合、署名者の1人がトランザクションを完全に中止することを選択することを含む追加の保護レイヤーもあるという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン