ハイテク株中心で構成される米国ナスダック上場のマイクロストラテジーが、資産の一部として仮想通貨ビットコイン(BTC)を購入したことを発表した。
8月12日の同社の発表によると、マイクロストラテジー(MicroStrategy)は2万1454BTC(約260億円)を購入した。マイクロストラテジーのマイケルJセイラーCEOは、次のようにコメントした。
「今回の投資は、ビットコインが世界で最も普及している仮想通貨で頼れる価値保存手段であり、現金保有よりも長期的には上昇する可能性を秘めた魅力的な資産クラスであるという我々の信念に基づいている」
マイクロストラテジーは、7月28日にインフレ耐性のある資産としてビットコインを買う計画を明かしていた。
ビットコインを買わない方がリスク
米国の機関投資家によるビットコイン参入の流れが大きくなりつつある。
今年5月、米国でレジェンドと言われるポール・チューダー・ジョーンズ氏が、ポートフォリオの2%をビットコイン で保有していることを明かした。ジョーンズ氏は投資業界の中で知らないものはいないほどの存在であり、多くの機関投資家がビットコイン投資で追随することが期待されていた。
これまで機関投資家の間でビットコインは危険な投資対象と考えられてきたが、ジョーンズ氏の参入によって、逆に投資しなければ取り残されるリスクが出るという風潮に変わったという見方も出ている。
マイクロストラテジーは、ビジネスインテリジェンス企業。7月28日にビットコイン購入計画を発表して以降、マイクロストラテジーの株価は上昇している。
(出典:Nasdaq 「マイクロストラテジー(MSTR)株価推移」)
ビットコインは1万1000ドル付近で推移。昨年6月につけた高値である1万4000ドルが次のターゲットと見られる中、過去1週間で1週間ほどの上昇にとどまっている。
米国仮想通貨投資会社グレイスケールのバリー・シルバートCEOは、マイクとストラテジーの決定を称賛した。
「12億ドル(約1260億円)企業のマイクロストラテジーが、たった今ビットコインにかける上場企業になった。賢い動きだ」
また仮想通貨・ブロックチェーン企業大手のリップルのブラッド・ガーリングハウスCEOも、今回のマイクロストラテジーの決定について「仮想通貨は黄金のように輝く」とツイートし、「デジタル資産を指示して多様化する大胆な動き」だと称賛した。ガーリングハウス氏は、マイクロストラテジーのような会社が「最後になるとは限らない」と指摘し、今後もこういった動きが広がっていくことになる可能性があると語っている。
またマイクロストラテジーの株価は13%上昇しており、マーケットもマイクロストラテジーの判断を好感しているようだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン