仮想通貨取引所クラーケンは、アイルランドとベルギーの顧客を対象に、プライバシー重視のトークンであるモネロ(XMR)のサポートを終了すると発表した。

クラーケンは、5月10日よりXMRの取引と入金を停止すると発表した。同取引所は、その期限前にすべての証拠金取引のポジションを閉じる必要があると追加した。そうでない場合、クラーケンは自動的にポジションを閉じる。

クラーケンは6月10日にはモネロをプラットフォームから完全に削除すると強調し、アイルランドとベルギーのユーザーによるXMRトークンの出金をその日に停止するとした。

クラーケンは、期限後にアカウントに残っているXMRトークンがあるユーザーは、残高が自動的にビットコイン(BTC)に変換されると説明した。

欧州議会では今年3月、匿名ユーザーにアカウントを提供したり、モネロのようなプライバシーに焦点を当てたトークンを使用したりする暗号資産サービスプロバイダー(CASP)を禁止する法案が委員会で採決された

2月にはバイナンスがモネロの上場廃止を発表した。2月6日には、バイナンスでXMRトークンが165ドルから136ドルに落ち込んだ。価格は2月7日には105ドルまでさらに下落したが、翌日には素早く回復した。

世界中の規制当局は2018年以降、プライバシー重視のトークンに対して取り締まりを強化している。

日本は匿名性を高めたトークンに対する禁止を開始した最初の国だ。2020年には韓国の金融監督機関も取引所からプライバシーコインを禁止し、オーストラリアの取引所も規制の更新に伴いプライバシーコインの上場廃止を始めた。2023年2月7日にはドバイも匿名性を高めたトークンの発行を禁止し、プライバシーコインに関連するすべての仮想資産活動に関するガイドラインを発表した

バイナンスとクラーケンの他にも、フォビやOKXなどの取引所がモネロと他のプライバシー重視のデジタル資産の上場廃止を発表している。フォビは2022年9月19日にグローバル規制に準拠するためにモネロの上場を廃止し、OKXの取引プラットフォームからは1月5日に完全に廃止された