「冬のソナタ」で有名な韓流スター、ぺ・ヨンジュンが仮想通貨スタートアップに投資をした。ハンギョレ新聞が12日に報じた。韓国の有名芸能人の中でブロックチェーン企業に投資をした事実が公開されることは、ペ・ヨンジュン氏が初めてだという。
仮想通貨で決済する国際水産物取引所を計画しているシーモン(SEAMON)は、12日、先月映画俳優のペ・ヨンジュン氏から持分投資を受けたと明らかにした。
シーモンのプロジェクトを統括しているイ・ジョンフン代表が、以前から食品事業に関心が高いことで知られていたペ・ヨンジュン氏に対してプロジェクトアドバイザーとして参加を要請したところ、投資家として参加したいという返答があったという。
「アドバイザーではなく投資をしたいとのことで先月投資契約の締結に至った。投資金額は公開できないが、何千万ウォン(何百万円)という規模ではなく、意味のある金額を投資した」
シーモンの仮想通貨プロジェクト
シーモンは、独自の仮想通貨シーモンコインを通してサーモンをはじめとする水産物を国際的に取引する取引所シーモンエックス(SEAMONX)を計画している。
シーモンの調査によると、2016年にグローバル水産業の市場規模は2770億ドル(約31兆円) を突破しているなど、急速に成長しているが、取引システムは依然後退している状態だ。水産物の国際取引には、取引代金の決済不履行と頻繁な延滞という大きな問題が2つあるという。
鮮度保持が困難な水産物は、時間が経つにつれ商品価値が落ちるため商品を先に発送して後に決済を受けるという形式が一般的に採用されているが、輸送事故などで受け取りができなかったとして支払いが行われないことが多いという。このため、水産物の輸出企業は、輸出に関する保険の費用を負担しなければならず、債権回収にも多くの費用が発生する。
また、為替レートの変動に起因するリスクも大きいという。
(出典:SEAMON 「ブロックチェーン基盤の水産物取引所SEAMONXの仕組み」)
シーモンは、このような問題を解決するために、水産物の流通経路をブロックチェーンに記録し、独自の仮想通貨とスマートコントラクトを利用して取引代金をリアルタイムで決済できるようにする計画。輸入業者は仮想通貨取引所でシーモンコインを購入することで代金を払い、輸出業者は輸入業者から受け取ったシーモンコインを仮想通貨取引所でウォンや米ドル、またはテザー(USDT)に両替する仕組みだ。
シーモンのイ・ジョンフン代表によると、すでに日本のサーモンの市場占有率1位のノルウェーの水産企業オーシャンシュプリームもこのプロジェクトに参加している。まずは、韓国とノルウェー間のサーモン取引を開始し、今後は中国や日本など取引国を拡大、さらにカナダ産ロブスターなど、品目も増加させていく計画だという。
(出典:SEAMON)
ヨン様は有名な資産家
一時は自ら立ち上げた芸能事務所キーイーストの最大株主だったペ・ヨンジュン氏。先月“財閥ドットコム”が集計した芸能人株式資産家ランキングでは、443億ウォン(約44億円)で4位につけた。
1位は、2124億ウォン(約209億円)を持つSMエンターテインメント会長のイ・スマン氏、2位は1874億ウォン(約185億円)のJYPエンターテインメント理事のパク・ジニョン氏、3位は1561億ウォン(約154億円)のJGエンターテインメント代表のヤン・ヒョンソク氏だった。
ぺ・ヨンジュン氏は、新技術と新しいビジネスに関心が高いことでベンチャーの投資業界では有名である。清掃サービスのスタートアップWAHOME、新しい生鮮食品のシステム「新星配送」(23時前に注文すれば、次の日の早朝7時までに、新鮮な食品を自宅に配送してくれるという独自の配送サービス)で有名なマーケットカーリーなどに投資をしている。