デジタル通貨分野「日本ではJRが有望企業」、海外研究者が指摘

デジタル通貨分野で注目される日本企業はどこか?

デジタル通貨研究者のリース・ジョーンズ氏は「日本で一番いいポジションにいるのはJRだ」と指摘する。ジョーンズ氏は、既に幅広く利用されている決済システムを持つ企業が、デジタル通貨分野でも存在感を持つことになると強調する。

9月3日に東京で開催されたフィンテック・カンファレンス「FINSUM」のパネルディスカッションで述べた。ジョーンズ氏は、シリコンバレーを拠点とする教育機関「シンギュラリティ・ユニバーシティ」の創設メンバーの1人。今回のカンファレンスでは、生物進化とデジタル通貨の進化とを比較した基調講演も行った。

リブラなどのデジタル通貨をテーマとするセッションで、ジョーンズ氏は、既に決済システムを持っている企業がデジタル通貨分野でアドバンテージを有すると語った。

JR東日本のSuicaを念頭に「(JRの決済システムは)日本で多くの取引で使われているだろう」とし、このシステムでほかのデジタル通貨も使えるようにすればいいと語った。ジョーンズ氏は「既存の決済システムのソフトウェアを変えればいいだけで対応できる」とも述べた。

金融・広告の連携でFBは「理想的ポジション」

またパネルディスカッションでは、フェイスブックの仮想通貨「リブラ」についても議論された。

リブラを巡っては世界各国の政府が懸念を表明しているが、ジョーンズ氏は今後に楽観的だ。

「リブラの責任者であるデビッド・マーカスは、ペイパルの社長だった。そしてフェイスブックの取締役会にはペイパル出身の人間もいる。彼らは決済ビジネスを熟知している」

フェイスブックは「法律違反は避けるはずだ」と語り、政府との間で合意できない場合には、特定の国を除外するといった対応をするだろうと述べる。

ディスカッションに登壇した米フィンテック企業「エイコーンズ」共同創業者ジェフ・クラッテンデン氏は、デジタル通貨普及において「ユーザーエクスペリエンス」が重要と述べた。フェイスブックが決済ビジネスに進出することになれば、よりシームレスなエクスぺリエンスをユーザーに提供できるようになるだろうと語った。

またクラッテンデン氏は、多くの企業がFBの広告から何百万人というユーザーを獲得していると指摘。決済・金融分野と広告の連携で、フェイスブックは「理想的なポジションにある」と語る。それはユーザーにもメリットをもたらす可能性があるはずだと述べた。