米大手銀行JPモルガン・チェースの幹部が、米証券取引委員会(SEC)の暗号資産タスクフォースと会合を行い、デジタル資産の規制や資本市場のブロックチェーン移行に伴う影響について協議した。

SECが火曜日に公開した議事録によれば、JPモルガン側は「現在の資本市場活動がパブリック・ブロックチェーンへ移行した場合の影響」について議論した。既存モデルのどの部分が変化しうるか、またその変化のリスクと利点を企業がどう評価するかが主要な論点となった。

また、JPモルガンが仮想通貨領域で現在展開している事業についても取り上げられた。具体的には、同社のデジタルファイナンスおよびデジタル債務サービスの一環として展開されているレポ取引(短期の担保付き資金調達)のデジタルプラットフォームなどが挙げられた。

金融機関がブロックチェーン技術を活用してより迅速かつ低コストな取引を追求するなかで、JPモルガンもトークン化資産を通じた新たな収益モデルの開拓や競争優位の確立を模索している。

JPモルガン幹部3名がSECと会談

SECとの会談に出席したのは、JPモルガンのスコット・ルーカス氏、ジャスティン・コーエン氏、アーロン・イオヴィン氏の3名だ。

ルーカス氏はデジタル資産市場の責任者、コーエン氏は株式デリバティブ開発部門のグローバル責任者であり、両氏は同社のマネージングディレクターを務めている。

イオヴィン氏はエグゼクティブディレクターで、同社のデジタル資産規制政策のグローバル責任者を務めている。

JPMDトークンの試験運用を開始

JPモルガンは17日、「JPMD」と呼ばれる預金トークンのパイロットプログラム開始を発表した

このJPMDは、コインベースが提供するブロックチェーン「Base」上で発行され、パイロット終了後にはコインベースの機関投資家クライアントが取引に使用できるようになる見通しだ。試験運用は数カ月間にわたって行われる予定だ。

Baseの総ロック価値(TVL). Source: DefiLlama

その前日にはJPモルガンがJPMDに関連する商標出願を行っており、その中にはデジタル資産の取引、送金、決済処理といった仮想通貨関連の幅広いサービスが含まれていた。

「預金トークンの方が優れている」

JPMDの商標出願により、大手銀行によるステーブルコイン発行の憶測が高まったが、JPモルガンのブロックチェーン部門「Kinexys」に所属するナヴィーン・マレラ氏はブルームバーグに対し 、「預金トークンはステーブルコインに比べて機関投資家にとって優れた選 択肢だ」 と述べている。    

その理由として、ステーブルコインは現金および同等物によって裏付けされるのみであるのに対し、預金トークンは銀行口座に預けられたドル建て資金を表すものであり、従来の銀行システム内で機能する点を挙げた。加えて、部分準備方式により、スケーラビリティにも優れていると説明している。

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