米金融大手JPモルガン・チェースのジェームス・ダイモンCEOが9日、米フォックスの経済番組による取材の中で、昨年9月の「ビットコインは詐欺」とした発言を後悔しているとした。

 ダイモン氏はさらに続けて、「ブロックチェーンにはリアル(な有用性がある)。仮想円や仮想ドルなどをつくることができる」とした。

 さらに踏み込んでICOについては「個別に評価しなくてはならない」とコメント。

 ただし「私にとって常に大事なのがビットコインが大きくなるにつれ各国政府がどのように感じているかということ」で、それ以外のことには「他人と違ってそんなに関心がない」とした。

 司会が若い世代が株よりも仮想通貨に興味をもっているという統計に言及すると、「2ビットコイン買った娘がいて、大幅に価格上昇したので自分を天才だと思っている」と呆れたように笑った。

 ダイモン氏のこうした見解は実は2015年頃のコメントと一貫しており、考えを変えたわけではない。

 米国で今一番好調の投資銀行であるJPモルガンは元々堅実な経営で知られ、08年の金融危機でも一番影響をうけなかった。破綻寸前のベアスターンズやワシントンミューチャル等を買収し米金融界の立て直しにまわった。

 一方で米政府から米不良資産救済プログラム(TARP)を通して公的資金注入をうけたことや、前オバマ政権との強い繋がりを有していたダイモン氏は従来の経済界と政界のはざまで、ビットコインについて正統的な回答を繰り返しているに過ぎないのかもしれない。