ツイッターCEOのジャック・ドーシー氏は目まぐるしく動く仮想通貨(暗号資産)業界の中でも、引き続きビットコイン(BTC)にこだわりを持っている。

10日のロイター通信とのインタビューで、ドーシーCEOはビットコインの可能性が後発の通貨の可能性を凌駕すると信じていると述べている。

「インターネットにはネイティブ通貨が必要だ。ビットコインはおそらく現在までに、これに最も適していると思う。」

ドーシー氏はビットコインが作成された意図について、インターネット創設時の精神である、協力的で分散型という倫理観と同じであると指摘した。

「インターネットとはコンセンサスドリブンのものであり、誰もが作成でき、誰もが変化を与えることができる。ビットコインも同様の意図を持ってインターネット上で構築されたものだ」

ビットコインに関心を持つ「素晴らしいアイデアを持つ人」は、誰でもコミュニティに参加できることをドーシー氏は賞賛。「企業の一部になる必要はない」と話した。

ドーシー氏はビットコインとインターネットに理想的な形で関わっている一人だ。寡占や企業や政府の過度な監視、そして権力や資本の非対称性といったことは分散化提唱者が戦わなければいけない内容だ。

ただ、仮想通貨やインターネットのこうした分散型思想の普及促進のためには、ビットコインのユーザー体験の向上が必要だと指摘した。仮想通貨は既存のデジタル決済インフラと同様に「直感的に」利用できるように進化する必要があるという。特にトランザクションの処理についてはコストと時間効率が克服すべき、最も重要なハードルだとした。

ドーシー氏自身も、インターネットのより分散化されたサービス構築に向けて動いている。2019年に、分散型SNSの開発に着手。オープンソースのITアーキテクトやエンジニア、デザイナーの専門チームに資金を提供した。

こうしたことから中央集権型プラットフォームであるツイッターが直面している問題についても触れ、ドーシー氏はブロックチェーンが、分散型の未来を実現するための重要な技術であると主張した。

「やるべきことはたくさんある。しかし基盤はすでにそこにある」

ビットコイン支持者としてのドーシー氏

ジャック・ドーシー氏はビットコイン支持者として広く知られている存在だ。ツイッターCEOとともに、決済アプリ企業スクエアのCEOも兼務している。スクエアでは、「ビットコインのエコシステムを強化するよう設計されたオープンソースのイニシアティブ」として仮想通貨部門スクエア・クリプトを発足させている。スクエア・クリプトでは、ビットコインのオープンソースプロジェクトへの支援を行っており、「BTCペイ・ファンデーション」などに助成金を提供した

また最近では、米最大のモータースポーツ団体NASCARで唯一のアフリカ系アメリカ人ドライバー、ダレル・”ババ”・ウォレス氏のレーシングカーにスポンサーとして協力。ウォレス氏のレーシングカーの中には、少なくとも2つのビットコインロゴと、米決済企業スクエアの「キャッシュアップ」のロゴが入っている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン