2016年に仮想通貨(暗号資産)取引所ビットフィネックス(Bitfinex)から流出したビットコイン120,000BTCの一部が再び動き始めた。10億ドル以上のビットコインに一体何が起こっているのか。
出典: Crystal.2016年に発生したビットフィネックスからの仮想通貨流出
10億ドル相当のBTCの行方
これまでのところ、ハッカーは取引所から盗んだ120,000BTCのうち、3,000BTC以下しか動かしていない。使われたビットコインの多くはダークネットのマーケットプレイスに向かった。ロシアのダークネットのマーケットプレイスである「ハイドラ(Hydra)」に736BTCが移動している。これは大量のビットコインが市場に投入される可能性があることを示唆しており、心配の種の1つとなるだろう。一方、これは犯罪者が盗んだ仮想通貨を資金洗浄することがますます困難になっている可能性もある。
ビットコインに動き
6月2日、盗まれたビットコイン82BTCが、プライベートウォレットに移動した。
出典: Crystal.6月2日に確認されたBTCのトランザクション
これらのトランザクションの地理的な動向を追跡すると、米国や英国、シンガポールからのものだった。しかし、これはハッカー側がVPNを使用して、本当の場所を難読化していることを示唆している。
もう1つの興味深い動きは、盗まれたビットコインの一部が2019年にフォビ(Huobi)、バイナンス(Binance)、そしてビットフィネックス(Bitfinex)に到達していることだ。
出典: Crystal.2.9BTCが19年にビットフィネックスへ
確実な結論を下すことはできないが、発信ポイントから各取引所との間には、取引所やミキサー、決済処理業者といった具体的な組織を介してはいないようだ。私たちの結論が正しければ、これらの取引所にはハッカーやその共犯者の名前があるはずだ。
より多くの仮想通貨企業が本人確認(KYC)やアンチマネーロンダリング(AML)の規制に真剣に取り組んでおり、仮想通貨ハッキングは収益性の低い取り組みになるはずだ。
ビットフィネックスは、コインテレグラフからのコメントを断った。