ツイッターのアカウント乗っ取りによるビットコイン詐欺が世界を騒がせているが、犯人達は1つ間違いを犯したかもしれない。
お金を騙し取る手段として仮想通貨ビットコイン(BTC)を使った点だ。
ブロックチェーン上での不正取引を追跡するチェイナリシス(Chainalysis)のチーフエコノミストであるフィリップ・グラッドウェル氏は、もしビットコイン詐欺を働きたいならチェイナリシスがいとも簡単に追跡できてしまうと述べた。
実際、チェイナリシスは今回のツイッター大規模ビットコイン詐欺師に送られたビットコインを追跡。20時間ほど前の時点でbc1qxy2kgdygjrsqtzq2n0yrf2493p83kkfjhx0wlhというメインのアドレスに送られたビットコインは最大で12万ドル(約1280万円)ほどで合計で375回の送金があった。
まだ仮想通貨取引所で現金に交換されていないという。
チェイナリシスによると詐欺師達はこの他2つのアドレスを指定。100回送金があり合計で6700ドル(約71万7000円)が入金された。
一方、同じように犯罪者達が指定したリップル(XRP)のアドレスには入金がなかったという。
最大の被害者は日本人?
さらにチェイナリシスによると、今回最大の被害者は日本人である可能性がある。日本の取引所と該当するウォレットの以前の取引記録からチェイナリシスは推測した。被害額は4万ドル(約430万円)に上った。
そのほかの被害額は少額でほとんどが米国の取引所から来ているという。
既報の通り、詐欺に使われたビットコインウォレットに送信された一連のトランザクションの中から「ビットコインは追跡可能だなぜモネロではない」という隠されたメッセージが発見された。匿名性においてモネロがビットコインより有意であることを知らせる戦略的なメッセージではないか?など米国のSNSであるレディットなどで話題となっている。
モネロ(XMR)は、ビットコインよりも多くのプライバシー機能を備えた仮想通貨として、仮想通貨コミュニティの中ではよく知られている。ダークウェブでの取引などに使われているとも指摘されている。
Redditユーザーのethereumflowは、このメッセージは戦略的なものだと指摘している。
「モネロを持っている人は誰がこの詐欺に陥るとは思わないが、失礼を承知で言えば、多くの騙されやすい人がBTCを持っている。最終的にモネロに交換するつもりだと、私は確信している。次の疑問は、どこの取引所で交換するかということだ。これはモネロにとって良いPRになるか?それはわからない。しかし、それは高いレベルのプライバシーとセキュリティを宣伝することになるだろう」
ツイッターへの攻撃でアカウントが乗っ取られたアカウントは、世界的に著名な政治・ビジネス関連の人物が含まれていた。元米大統領のバラク・オバマ氏や、元副大統領のジョー・バイデン氏、元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、アマゾンのジェフ・ベゾス氏、スペースXのイーロン・マスク氏、著名投資家のウォーレン・バフェット氏などだ。