ビットコイン(BTC)価格は1月14日に回復し、3万8000ドルの水準を取り戻した。さらに今週初めには28%の暴落を経験したにもかかわらず、週足のローソク足は5週連続で緑色となっている。

一方、CryptoQuantのデータによると、仮想通貨取引所でのステーブルコインの流入額が急増している。この流入は、取引所外にあった資本が戻ってきていることを示しており、ビットコインの短期的な触媒として機能する可能性がある。

ビットコインとステーブルコインの関係
仮想通貨市場では、多くのトレーダーがビットコインなどの暗号資産を現金ではなくステーブルコインに交換している。
テザー(USDT)などのステーブルコインは、米ドルでペッグされており、取引所間で取引することが可能だ。
ほとんどの取引所では、銀行振込のためには厳格な本人確認(KYC)プロセスが必要があり、取引所に現金を入金するには時間がかかる場合もある。
そのため、クジラといった大規模投資家は数百万ドル相当のビットコインを売買したい場合、現金よりもステーブルコインの方がはるかに便利だ。
トレーダーからのステーブルコインへの高い需要により、テザーの時価総額はこの数か月で増加している。先月にはテザーの時価総額は200億ドルを突破した。足元ではこの数字は240億ドルを超えており、仮想通貨市場内での資本が増加していることを示している。
取引所へのステーブルコインの流入
一方、取引所へのステーブルコインの預金額は、過去24時間で大幅に増加している。CryptoQuantは取引所のウォレットを追跡し、ステーブルコインの預金と流出を監視している。

主要な取引所でビットコイン価格が回復し始めたちょうどその時、1月13日にステーブルコインの預入額が急増した。
1月13日、10億ドル相当の先物契約が清算されたあと、ビットコインは3万2500ドルまで下落していた。
ステーブルコインの預金額の増加と、ビットコイン先物市場の建玉増加によって示されているように、投資家は積極的に押し目買いを行ったようだ。その結果、ビットコインは急回復し、一晩で10%以上の上昇となった。

史上最高値を更新となるか?
仮想通貨アナリストのアレックス・サンダース氏は、ステーブルコインは「取引所を満たしており」、これは強気トレンドを示唆していることが多いと述べている。
BTC価格が回復する前に、仮想通貨トレーダーであるマイケル・ファン・デ・ポッペ氏は、ビットコインが再び3万8000ドルを超えれば、史上最高値を再び試す展開になる可能性が高いと予測していた。
ビットコイン価格は、3万8000ドルのレジスタンスを突破したわけだが、ファン・デ・ポッペ氏の予測通りならば、BTCは過去最高値を再びテストすることになるだろう。
ビットコインの回復に先んじて、1月13日にはグレイスケールが仮想通貨信託への新規投資受入れを再開した。ビットコイン価格の上昇によって、より多くの機関投資家や認定投資家がグレイスケールのビットコイン信託を通じて、BTCのポジションを獲得するようになるだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン