XRP(XRP)は昨年11月以降、550%以上の上昇をみせ、火曜日には3ドルを突破した。この急伸を受け、テクニカルアナリストのガート・ファン・ラーゲン氏は、今回の強気サイクルで最大34ドルまで上昇する可能性があると予測している

XRPが30ドル以上に到達するのは現実的なのだろうか。

XRP/USD 日足チャート Source: TradingView

ダブルボトムが示す10倍上昇の可能性

ファン・ラーゲン氏によると、XRPは1.80ドル付近のネックラインを上抜け、7年間にわたるダブルボトム型の価格パターンを突破した

その後、価格はネックラインまで調整したが、同水準がサポートとして機能した。チャート分析では、このようなリテストはブレイクアウトの強さと、さらなる上昇に対する市場の自信を示すことが多い。

XRP/USD 2週間足チャート. Source: TradingView/Gert van Lagen

このパターンに基づくフィボナッチ2.00拡張を用いると、ファン・ラーゲン氏の計測では2026年半ばまでに34ドル到達が見込まれる。

この動きは、2014〜2017年のXRPの値動きと類似している。当時も同様のパターンから放物線的な上昇に転じ、XRP/USDは10万%超の急騰を記録した。

直近数年でも、XRP市場は同様の大幅上昇を経験している。例えば、2022年の安値からは1072%上昇した。さらにその前の2020〜2021年には、価格が1625%超も急騰している。

XRP/USD 週足チャート Source: TradingView

2020〜2021年のラリーは、米国のゼロ金利政策環境が背景にあった。一方、2022〜2025年の上昇は、リップル訴訟での進展、法的明確化の進行、取引所での再上場、ETF期待が主因となった。

2025年もこうしたETF期待はXRPの強気派を後押ししており、現物ETF承認の確率は95%とされる。承認が下りれば27ドルまでの上昇があるとの予測もあり、これはファン・ラーゲン氏の目標に近い水準である。

XRPレジャーの指標が示す過大評価リスク

DefiLlamaによれば、XRPの基盤チェーンであるXRPレジャー(XRPL)の成長は、イーサリアムを含む他の主要レイヤー1と比べて大きく遅れている。

時価総額1900億ドルに対し、総ロック価値(TVL)は8500万ドルに過ぎず、その比率は約2200倍に達する。これは、XRPの時価総額がイーサリアムの約40%に及ぶにもかかわらず、イーサリアムの比率(約5.6倍)と比べても極端な差である。

XRPレジャーのTVL、DEX取引高 Source: DefiLlama

この乖離は、オンチェーン活動に対するXRPの過大評価懸念を招いている。

2025年8月時点で、XRPの供給量の95%超が含み益状態にある。グラスノードのデータによれば、2020〜2021年および2022〜2025年のラリーでは、この水準到達後に急激な価格調整が繰り返し発生していた。

XRPの含み益の割合 Source: Glassnode

保有者の大半が利益を抱える状況では、利益確定の動きが加速しやすく、売り圧力が高まる。この構図は、XRPが30ドルに向けた現在の上昇トレンドを維持する上での障害となる可能性がある。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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