分散型ソーシャルメディア(DeSM)プロジェクト「Society2(ソサイエティ2)」は5日、ウェブサイトを公開した。仮想通貨(暗号資産)IOTAベースの「IOTA Streams」上に構築され、Society2フレームワークを通じて、ユーザーとプラットフォーム間でコンテンツを暗号化した配信を目指している。

近年ではfacebookのデータプライバシー問題やYouTube側による一方的なアカウント停止など、従来のソーシャルメディアの利用拡大に伴う問題が続出している。

Society2はIOTAノードの所有者がユーザーがソーシャルメディア上でプライバシーをコントロールできるようになるとしている。

「過去15年以上にわたり、ソーシャルメディアは我々の生活の礎となってきた。ただ残念なことに、それは我々のプライバシーや個人データのコントロール、そして我々を取り巻く世界の情報をどこで手に入れるか、誰を信頼するかという選択を犠牲にしている。これは、SOCIETY2で解決しようとしている重要な問題だ」

Society2の開発責任者のベン・ロイス氏はコインテレグラフに以下のように語った。

「IOTAノードの所有者はメニューからオープンソースのテンプレートをダウンロードするのと同じくらい簡単にソーシャルメディアやアプリを実行し、カスタマイズできる」

Society2のフレームワークは現在開発中で、2020年第3四半期にプロトタイプへのフィードバックが可能になる予定だ。

IOTAでプライバシーを確保

Society2はユーザーがこれまで利用できていないソーシャルメディアのプライバシーのコントロールを目指している。

この一環として、IoTに特化していることで知られるIOTA(MIOTA)を報酬として利用し、ユーザーがプライバシーのレベルを選択できるようにする。

例えば、IOTAのP2Pマイクロペイメント機能を利用して、Society2を利用して広告を閲覧したユーザーにMIOTAを報酬として支払うといった設定を想定。分散型ブラウザのブレイブに近い機能と言えるだろう。

ロイス氏は「もしユーザーが広告配信を希望し、ユーザー情報の一部を提供すれば、サイトやアプリを運営するIOTAノードの所有者と収益を共有することになる」と説明した。

Twitterとの連携も?

さらにSociety2はツイッターとの連携を模索しているという。

リリースの中で、プロジェクトリーダーであるヨゼフ・スキューブス氏は「Twitterのような大手SNSに採用されることを期待している」と発言した。

「今日まで、分散型ソーシャルメディアは普及していない。現存する最大のDeSMのユーザーは数百万ユーザー程度だ。我々は既存の大手プラットフォーマーが分散型の利点を理解した時に、普及が進むと考えている。ツイッターはそうしたプラットフォームの一つだ」

TwitterのCEOで創業者のジャック・ドーシー氏は、同社が2019年後半にソーシャルメディアの分散型メディアを開発するための専門チームに資金を提供したことを明らかにしている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン