マージ後のイーサリアムを含む暗号資産の機関投資家によるステーキングは、将来的に「現象」になる可能性があるが、資産の「ロックアップ」が必要なままでは実現しないだろう。

コインベースのアレシア・ハース最高財務責任者(CFO)は、火曜に行われた第2四半期の決算説明会で、同四半期に展開された同社の新しい独占的な機関投資家向けステーキングサービスについて、「本物のリキッドステーキングオプション」が利用可能にならない限り、「近い将来の現象」になるとは予想していないと指摘した

「当社が利用可能なプロダクトを持ったのは、これが初めて。これまでも機関投資家は、コインベースクラウド経由でステーキングを利用できた。(中略)しかしそれは、個人顧客向けに用意しているものと同様の委任ステーキングサービスとして提供しているものだ」

しかしハース氏は、同社の新しいステーキングサービスはまだ「初期段階」であると述べ、「本当に重大な影響」を与えることができるのは、ETH2という名称でも知られるマージ後のイーサリアム向けに、リキッドステーキングオプションを作り出した時だけだろうと付け加えた。

リキッドステーキングとは、資金をアクセス可能なままロックアップしてステーキング報酬を得るプロセスのことである。

ハース氏は、多くの金融機関が「資産を無期限に保有することを望んでいない」と説明した。

「つまり、ETH2をステーキングすると、マージまで、そしてその後の一定期間、資産をイーサリアムにロックしていることになる。一部の機関にとっては、そのような流動性のロックアップは許容できるものではない。そのため、ステーキングに関心があるとしても、流動性のある資産でステーキングすることを望んでいる」

ハース氏は、この問題が「当社の解決しようとしていること」であると再確認し、金融機関がこのリキッドステーキングを利用可能になり、より高い割合で資金をプールできるようになれば、「機関投資家の収益に本当に重大な影響を与えることができるだろう」と付け加えた。