インド最大の民間銀行であるHDFC銀行が、同行発行のデビットカードとクレジットカードを仮想通貨の購入目的で使用することを禁止すると顧客に通知した。インドのニュースサイト、ファーストポストが14日に伝えた。

 HDFC銀行は13日に顧客に宛てた通知の中で、本方針は顧客を保護するためのものだと説明した

 通知には「顧客の安全を確保するため、ビットコインのような仮想通貨の購入や、海外取引所の利用などで、HDFC銀のクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードを使用することを認めないと決定した」と書かれていた。

 また通知では、インド準備銀行が「仮想通貨の取引には、経済面や法律面、セキュリティ面などで潜在的リスクが伴う」と、国民に繰り返し警告してきたことにも触れられていた。

 今回の決定は、シティバンク・インドが先月、「ビットコイン取引はセキュリティ上のリスクを伴う」として、クレジットカードとデビットカードでの仮想通貨購入を禁止したことを受けた動きと見られる。

 クレジットカードでの仮想通貨購入を禁止する動きは、米国大手銀行のJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループが2月3日に発表したことを皮切りに、英最大のロイズ・バンキング・グループ、南アフリカや英国を拠点とするヴァージン・マネーが後に続いた。数週間前にはカナダ最大規模のTD銀行がこの動きに加わった。

 元インド政府高官のシャクティカンタ・ダス氏は12日、仮想通貨は有効な規制の手立てがないため「全く認めるべきではない」と主張した。