インド最高裁判所は、インド準備銀行(RBI)の銀行に対する仮想通貨関連事業との取引禁止令により影響を受けた取引所への暫定救済措置を与えないことを決定した。7月3日にクオーツ・インディアが報じた。

 インド最高裁は今回も再び、すべての銀行に対し3か月以内に仮想通貨取引所および仮想通貨投資家との既存の関係を断つよう命じた、7月6日に発効する予定のRBIの4月6日付通達の差し止めを拒否した。

 論争の的となっている中央銀行による禁止令は、一般市民による請願活動と企業による請願活動の両方を引き起こした。中には中銀の決定が憲法に違反しているとして裁判所に訴えた企業もあった。

 RBIの姿勢に異議を申し立てているいくつかの仮想通貨取引所が所属するインドインターネットモバイル協会(IAMAI)は、最高裁での公聴会の早期開催を要請した(その結果、7月3日に開催された)。最高裁は当初、禁止令が発効されてから2週間後となる7月20日を公聴会の開催日に定めていた。

 報道によると、5月17日に行われた請願書の審査のための前回の公聴会で、IAMAIは中銀に対する抗議書を提出するよう要請されていたという。仮想通貨取引所WazirXのニスチャル・シェティCEOは、以下のように述べた。

「我々は、ブロックチェーンや取引所の仕組みなどについて、より明確なイメージをRBIにもたらしたであろう詳細な報告を提出した。だが、まだRBIからの返事を聞いていない。最高裁判所も今日(7月3日)、今後7日間以内に企業による抗議に応答するようRBIに指示を出した」

 仮想通貨規制の分析に関与するインドのある弁護士チームは、最高裁が7月3日にIAMAIによる抗議に対し「正当な理由をつけて応答する」ようRBIに指示したことをツイッターで述べた。最高裁は、前述の7月20日の公聴会で既存の請願書についての審問を行う。

 RBIは、分散型仮想通貨に対して強硬姿勢をとっているにもかかわらず、独自の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を検討していると言われている。

 インドの仮想通貨業界の将来について依然として楽観的な見方もある。リップル(XRP)のインフラ・イノベーション担当のグローバルヘッドは先月、より長期的に見てRBIが前向きな規制枠組みを確立することを期待していると述べた