IBMの金融サービス・デジタルアセットのディレクターであるニティン・ガウル氏は、コインテレグラフとのインタビューの中で、金融機関が分散型金融(DeFi)のムーブメントを活用するのをIBMとしてサポートする方法について語った。

『ブロックチェーン・フォー・ビジネス』の著者でもあるガウル氏は、銀行がDeFiを理解して受け入れることが不可欠であると主張している。そうでなければ、最終的にビジネスモデル全体がディスラプト(破壊)される可能性があると述べている。

「金融機関はそれを理解する必要があると、私は考えている。なぜなら、それは既存のビジネスモデルのビジネス要素を脇に追いやり、取って代わるポテンシャルがあるからだ。そして、そのことが銀行がそれを行うべき理由ともなる」

DeFiは金融機関に一連の規制上の課題を提示することになるが、IBMはクライアントをナビゲートすることで貢献できると考えている。しかし、ほとんどの金融機関では、DeFiに関してはまだ初期の調査段階にあり、真の分散型金融と伝統的な証券のデジタル化の間で立ち往生しているようだ。それでも、ガウル氏は「投資銀行をはじめとする大手銀行の参入」を予測している。

アプローチの再考が必要

同時に、銀行がこの分野で成功するためには、銀行がアプローチを再考する必要があることを認めている。彼らがいくつかのDeFi製品を作成するだけでは十分ではない。真の価値は、金融機関がブロックチェーンネットワークのグローバルな性質を採用している場合に解放される。

IBMは銀行のDeFiへの取り組みを支援したいと述べている。「製品のイノベーションは言うまでもなく、DeFiが提供するグローバルなマーケットプレイスのダイナミクスに参入し、新しい競合製品を作成し、ある種のアドオン製品を作成する」ことを支援していく考えという。

主要な銀行がDeFi分野に参入するのがいつになるのかは不明だが、ガウル氏はゴールドマンサックスがデジタル資産の新しい責任者を起用することは前向きな兆候であると指摘している。

これは米投資銀行大手のゴールドマンサックスが、新たなデジタル資産部門のグローバルヘッドにマシュー・マクダーモット氏を起用するという8月はじめのニュースだ。クダーモット氏は資金調達などを手掛けた46歳のベテラン金融マンだ。CNBCとのインタビューで、ゴールドマンサックスが独自の仮想通貨を開発していることを明かした。

「我々独自の法定通貨連動型のデジタルトークンを発行して商業的に利用できないか研究している。まだ初期段階だが、潜在的なユースケースを模索している」と、マクダーモット氏は語っている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン