不正資金洗浄などを取り締まる米国の金融犯罪取締執行ネットワーク(FinCEN)のケネス・ブランコ氏が、マネーローンダリング・不正な資金調達などにおいて、フェイスブックの仮想通貨リブラがどのように利用される可能性があるか、複数の米国下院議員を対象に超党派説明会を開催した。エマニュエル・クリーバー民主党議員が、6月27日付けプレスリリースで発表した。
違法活動の検出における、FinCENの人工知能(AI)および機械学習技術の利用状況、またこれら技術の利用を金融機関に奨励するため、どのように連携するか議論したという。
説明会に参加したのは、共和党議員のトレイ・ホリングスワース氏およびフレンチ・ヒル氏、民主党議員のビル・フォスター氏、米下院金融サービス委員会の全メンバー、また下院金融サービス委員会において、国家安全保障・国際開発・金融政策小委員会の委員長を務めるクリーバー議員。
プレスリリースにおいて、クリーバー議員は次のように述べている。
「仮想通貨と新しい市場の進化とともに、不正な行為を行う者も、違法な金融活動に関与できる新手法を見つけるべく絶えず適応している。〔中略〕フェイスブックのような巨大企業が、すでに許容できないレベルで悪意ある者を識別・抑止できないことを示している状況で、独自の仮想通貨リブラを作成することになる。金融システムが不適切に使用されないことを保証するために、議会および事業者が最新かつ強力な技術を積極的に利用しなくてはならない」
クリーバー議員の主張は、2016年米大統領選におけるフェイスブックの役割に対する懸念、またロシア諜報員が仮想通貨を大統領選の妨害に用いた疑惑からもたらされたものだったようだ。
クリーバー議員は次のようにコメントした。
「我々は、フェイスブックのプラットフォームを通じて、外国の敵対者や悪意のある者が、アメリカの民主主義にもたらした重大な損害を目の当たりにした。メッセージサービスと広告によって、実際にそのような状況に陥ったのだ」
米議会の一部の議員はフェイスブックの仮想通貨リブラに対して厳しい目を向けている。米上院では7月16日、翌17日には下院においてリブラを巡る公聴会が開かれる予定だ。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版