ビットコインの価格回復が7月を通じて進行し、マイナーにとっては一息つける状況となった。これにより、マイニング活動が活発化し、売り圧力が軽減されたようだ。
クリプトクオントの7月31日の報告によれば、マイナーの収益が7月初めから約50%増加し、現在ではビットコイン(BTC)の売却が減少しているという。7月29日時点で、マイナーのハッシュレートは604EH/sであり、7月9日の最も低かった時点から6%増加している。
「日次マイナー収益は現在約3200万ドルであり、7月初めの年間最低の2200万ドルと比較して増加している。収益の増加がネットワークハッシュレートの回復を支えている」
ビットコイン価格は過去30日間で約6%上昇し、執筆時点で約6万6500ドルで取引されている。今年に入ってから49%以上上昇していることになる。

マイナーの日次収益の改善により、過去数週間でマイナーの保有するBTCの売却が減少した。報告によれば、マイナーからの流出は「今年初めよりも一般的に低く、価格回復に伴い売り圧力が減少している」としている。
7月中、マイナーの1日の流出額は5,000ドルから10,000ドルの間にとどまったが、BTCが初めて70,000ドルの大台に乗ったときは10,000ドルから20,000ドルであったため、ビットコインの半減期により収益が50%削減される前にマイナーはキャッシュアウトすることができた。
半減期はビットコインのデフレメカニズムであり、4年ごとに新しいブロックを追加するための報酬を半分に減らす。
しかし、マイナーからの売却は均等に分布していない。
大規模マイナーは2024年にBTC保有量を増加させている一方で、小規模マイナーは保有量を大幅に減少させている。クリプトクオントのデータによれば、7月29日時点で大規模マイナーの総ビットコイン残高は6万5000BTCであり、2024年初めの6万1000BTCから増加している。
一方、小規模マイナーの総残高は5万9000BTCから5万1000BTCに減少しており、半減期後に売却が加速している。取引手数料は現在、総マイニング収益の1.72%であり、2023年10月以来の最低水準にある。「マイナーにとってのリスクは手数料が低迷していることであり、マイニングの収益性がビットコインの価格に依存しすぎている」と報告はのべた。