欧州の仮想通貨(暗号資産)取引プラットフォーム「2gether」が、ハッカーグループによる攻撃を受けた。7月31日のサイバー攻撃によって、2getherの仮想通貨アカウントがハッキングされ、118万3000ユーロ(約1.4億円)が盗まれた。

2getherのラモン・フェラズ・エストラーダCEOは8月1日の自身のツイッターで、ハッキングによって仮想通貨投資アカウントが攻撃を受けたこと、ユーザーのパスワードが流出した可能があることを明らかにした。ユーザーのユーロ口座とウォレットは「安全」であるとも述べている。発表によれば、アカウントのあった仮想通貨の約26%が流出したことになるという。流出した仮想通貨はビットコインとイーサリアムで、ほかの仮想通貨は影響を受けなかったと報告している。

流出した資金を補うため、2getherは顧客にネイティブトークンである2GTトークンを提供することを提案している(2GTトークンは0.05ユーロ相当)。2getherのチームは、ほかの選択肢として、流出した資金に相当する2getherの株式を受け取るか、盗まれた資金が回収されるなど資金返還の目処がつくまで待つことを提案している。

2getherはまた、そのアプリが「利用可能なすべてのセキュリティ対策を備えた状態で」できるだけ早く再構築されると述べている。同社はまた、RedditでAMA(Ask Me Anythiing)のセッションを開催し、ハッキングに対する顧客の疑問に答えるとしている。

7月には英国でも流出被害

英国を拠点とする仮想通貨取引所Cashaaは7月、ハッカーによってビットコイン(BTC)で336BTC以上が盗まれたと報告している。336BTCは日本円にすると約3.3億円以上にのぼる。Cashaaは、全ての仮想通貨取引を停止している。ユーザーには今回のハッキングの影響はないと述べていた。

コインテレグラフに共有された資料によると、Cashaaのウォレットの一つがハッキングされた。クマル・ガウラフCEOによると、ハッカーがインドのデリー東部出身とみて調査を進めているという。現在はデリー市犯罪局にインシデント報告書を提出した。

Cashaaはユーザーが取引所の送金に使用するコンピューターにマルウェアがインストールされたのではないかとみている。7月10日午後1時23分に従業員がアカウントにログインし、ウォレットから2回の送金を行った際にマルウェアが感知されたという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン