英国拠点の仮想通貨(暗号資産)取引所Cashaaは、ビットコイン(BTC)が336BTC(約3億3300万円)以上盗まれたと報告した。同社は現在全ての仮想通貨取引を停止している。ユーザーには今回のハッキングの影響はないという。

コインテレグラフに共有された資料によると、Cashaaのウォレットの一つがハッキングされた。クマル・ガウラフCEOによると、ハッカーがインドのデリー東部出身とみて調査を進めているという。現在はデリー市犯罪局にインシデント報告書を提出した。

Cashaaはユーザーが取引所の送金に使用するコンピューターにマルウェアがインストールされたのではないかとみている。7月10日午後1時23分に従業員がアカウントにログインし、ウォレットから2回の送金を行った際にマルウェアが感知されたという。

Cashaaはビットコインの保存と送金にBlockchain.comのウォレットを使用していた。クマル氏はコインテレグラフに次のように話した。

「我々は今回の事件の被害を調査しているところだ。全ての出金を24時間停止している。今回の損失を会社が負担するかどうかを決めるために取締役会を招集した。」

Cashaaは盗まれたビットコインが換金されないよう動いている。

同社はツイッターでハッカーのビットコインアドレス(14RYUUaMW1shoxCav4znEh64xnTtL3a2Ek)を公開。資金の追跡を開始している。しかし、アドレスの取引パターンから、ミクスチャーソフトを使って資金を移動させ、トレーサビリティを低下させている可能性があるという。

クマル氏は仮想通貨業界のセキュリティ意識の低さを非難。以下のように述べた。

「銀行口座を扱う時と同等のセキュリティレベルをもたらすために、仮想通貨業界で働く誰もが、懸命に働くべきだ。現在のところ、ハッカーは仮想通貨アドレスをハックした後、洗浄を容易にするシステムを持つ取引所から移動できることに自信を持っている。このような取引所は閉鎖され、取引所の所有者はマネーロンダリング容易化犯罪で告発されなければならない。」

事件については、デリー警察のサイバー犯罪科がすでに捜査を始めている。全ての仮想通貨取引所にハッカーのアドレスが通知され、指定のビットコインアドレスをブロックしている。

インド取引所からの迅速なサポート

クマル氏はインドの取引所のサポートについて以下のように述べている。

「CoinDCXやWazirX、Bitbnsなどのインドの主要な取引所やバイナンスなどの国際的な取引所がサポートしてくれていることを嬉しく思う。我々はハッカーに対し、ビットコインをハッキングして現金化できることはできないという強いメッセージを伝えたいと考えている。」

WazirXの創業者兼CEOnoニスチャル・シェティ氏はコインテレグラフに「我々はあらゆる方法でCashaaを支援し、取引所のためのセキュリティ基準設定にも取り組んでいく」と話した。

「ハッキングがあったことは残念なことだ。WazirXは、ハッキングされたウォレットから我々に届いた資金を確実にロックするように動く。バイナンスチームにも通知した。また、業界としては、すべての取引所が一般的なセキュリティ基準を遵守するよう、一定の基準を設定する作業を行っている。これにより、仮想通貨エコシステムで今回のような事件を防ぐことができるでようになるだろう」