平昌五輪から1年… 韓国・江原道 ブロックチェーン地域通貨で起死回生狙う

昨年冬季オリンピックが開かれた平昌がある韓国・江原道の崔文洵(チェ・ムンスン)知事は先月28日、ブロックチェーンを使った地域通貨の発行で観光客を呼び込む計画を明らかにした。

「ブロックチェーン平昌フォーラム2019」における記者会見でチェ知事は、韓国の法定通貨ウォンと1対1で紐づけた地域通貨をブロックチェーン上で発行する計画を発表。元々、江原道では「カンウォン」という地域通貨を発行している。強いウォンという意味で、江原道の江原と同じ発音だ。ただ、チェ知事は「紙幣は拡散が難しいがブロックチェーン貨幣はずっと早く拡散させることができ、費用も安く管理も簡単だ」とし、「(ブロックチェーン貨幣を管理する)銀行を作ろうか考えている」と説明した。「カンウォンという名前をそのまま使うか、違う名前にするか」については未定だ。

また、新たなデジタル地域通貨を発行する日も未定。ただチェ知事は、「政府から認可が降り次第、すぐに始めたい」と意気込みを話した。

平昌オリンピックから今月6日で1年。今では観光客も減少し、閑散としているという報道もある。チェ知事が目指すのは中国の海南島。「海南島の事例をお手本に観光に来る外国人たちがブロックチェーンペイを使えるシステムを整える」と話した。また、地域デジタル通貨の発行のほか、Naver(ネイバー)やサムスンSDSクラウドセンターなどと協力し、「ワールドクラスのテクノロジーバレー」の創設を計画もある。

江原道は、ブロックチェーン都市づくりで先行している韓国の釜山済州島のようにまだ特区に認定されていない。チェ知事は「国際的な組織、国際標準、そして国際的な基礎を作るのが平昌の目的なので、他の特区とは違う方向」と説明した。 

(計画中のブロックチェーン通貨について語る崔文洵(チェ・ムンスン)知事(写真・中央))

韓国の規制

2017年に仮想通貨を使った資金調達イニシャル・コイン・オファリング(ICO)を禁止した韓国政府。先月30日には、その方針を継続することも発表した

チェ知事も「政府の規制には悲観的」と話す。

「 政府がこの産業を進行するにあたって法制度を主体的に迅速に整理していってくれるのか、という点について私は悲観的に見ています」

このためチェ知事は、自分たちがまず動き始めることが重要と指摘。その一環として行われたのが今回の「ブロックチェーン平昌フォーラム2019」。日本や米国、中国など10カ国以上から1000人以上の業界関係者が集まって情報交換を行った。「ブロックチェーンをしている人たちが集まり統一された国際標準を作って政府に投げかける方が早い」とチェ知事は話した。

またチェ知事は、平昌オリンピックが開催されたこの地でブロックチェーンフォーラムを開いた意義について、次のように述べた。

「この地域の名前が平、中国語でいうと平和という意味を持ち、昌は繁昌ということで平和的に繁昌しているというイメージを持っています。ブロックチェーンの透明性、開放性、脱中央集権などのイメージとマッチしているんじゃないかと思います」

チェ知事は、今回のフォーラムを通じて、IOC(国際オリンピック委員会)ならぬIBC (インターナショナル・ブロックチェーン・コミュニティー)を創設する予定だ。

今後、平昌がブロックチェーンでも国際社会に対して発信する場になれるのか注目だ。