グーグル・クラウドは、人工知能(AI)スタートアップ企業アンソロピック(Anthropic)に3億ドルを投資した。アンソロピックは仮想通貨取引所FTXが破綻する半年ほど前に、FTXの元CEOであるサム・バンクマン=フリード(通称SBF)氏から5億ドルの投資を受けていた企業だ。

3億ドルという数字はフィナンシャル・タイムズが報じた。アンソロピック自体は金額を公表していないが、投資契約については認めた。同誌によると、グーグル・クラウドはアンソロピックの株式の10%を保有することになった。

同じ発表の中で、アンソロピックは以前、シリーズBの資金調達ラウンドで、SBFやアラメダ・リサーチの元CEO キャロライン・エリソン氏などから資金調達を行ったことにも触れた。

"シリーズBラウンドは、FTXのCEOであるサム・バンクマン=フリード氏が主導した。このラウンドには、キャロライン・エリソン、ジム・マクレーブ、ニシャッド・シン、ジャーン・タリン、新興リスク研究センター(CERR)も参加した。"

クランチベースの報道によると、バンクマン=フリードが主導した資金調達ラウンドは、2022年4月に行われたようだ。

この調達ラウンドでは5億8000万ドルを調達しているが、調達額のうち、約5億3000万ドルはバンクマン=フリード氏と同氏の元ビジネスパートナーからのものだという。

しかし、この数字はさらに高いという見方もある。

あるFTXの債権者は、AI企業に対するバンクマン=フリード氏の出資額は11億ドルにものぼると考えている。しかし、この債権者はその数字について詳しく説明しなかった。

今回の提携によりアンソロピックはグーグル・クラウドのGPUとTPUクラスターを利用して、OpenAIのChatGTPと同様のAIチャットボックス「Claude」を訓練、拡張、実装する。