米投資銀行ゴールドマン・サックスは、ブロックチェーンスタートアップのデジタル・アセッツと提携し、トークン化の取り組みを強化している。

ゴールドマン・サックスは3日、この提携により、金融機関がブロックチェーン上で契約を構築・実行できるようにするために、デジタル・アセッツが作成した開発フレームワーク「Daml」を利用できるようになったと発表した。

デジタル・アセッツの中核技術の一つであるDamlは、ゴールドマン・サックスがプライベートおよびパブリックブロックチェーン上で複数の資産クラスをサポートする独自の「エンド・ツー・エンドのトークン化された資産インフラ」を開発するのに役立つとしている。

ゴールドマン・サックスのデジタルアセット部門グローバルヘッドであるマシュー・マクダーモット氏は、Damlベースのソリューションは、さまざまなインフラを相互に接続することで、金融機関や顧客のブロックチェーンベースのデジタル化のワークフローを加速させる可能性があると述べた。

「トークン化機能の構築を進めていく中で、デジタルネイティブな資産とトークン化された伝統的な資産の両方について、ビジネスの中心となる資産の完全な複雑性と多様性を迅速に把握することができ、複数のブロックチェーンで相互運用できるソリューションが必要だ」

同名のスマートコントラクト言語を実装したDamlは、二重処理や手作業を排除することを目的とした、マルチパーティアプリケーションを構築するためのプラットフォーム。BNPパリバの証券部門など、世界最大級の金融機関がDamlベースのスマートコントラクトを導入し、リアルタイムの取引・決済アプリケーションを開発している。

ゴールドマン・サックスはこれまで、2019年6月にトークン化に関するいくつかの「幅広い研究」に関与していると主張。CEOのデビッド・ソロモン氏は、世界の決済システムがステーブルコインの立ち上げに動いていることを指摘していた。同行は、テザー(USDT)に次いで時価総額が世界第2位のステーブルコインであるUSDコイン(USDC)の主要開発者であるサークルに投資したことで知られている。