ここ数週間ほど、仮想通貨ミキサーのトルネード・キャッシュはソフトウェア開発プラットフォームGitHubでの活動が禁止されていたが、この度その措置が解除された。

イーサリアムの開発者プレストン・ヴァン・ルーン氏はツイートで、「GitHubはトルネード・キャッシュの組織および協力者たちのプラットフォームでの禁止措置を部分的に解除した」と報告した。ルーン氏によると、同社のコードのリポジトリは現在読み込み専用モードになっているという。つまり、GitHubは機能を完全には復活させていないことになる。

「しかし、全面禁止措置からは進展した。私は依然、GitHubがすべての措置を解除し、リポジトリを以前の状態に戻すことを促している」と同氏は述べている。

GitHubのデータによると、トルネード・キャッシュのリポジトリが直近で更新されたのは8月22日。この直前には、トルネード・キャッシュ共同創業者のロマン・セメノフ氏が、自身のアカウントがプラットフォーム上にあることを報告していた。米財務省外国資産管理局(OFAC)は8月8日、市民がトルネード・キャッシュを使うことを禁止し、同社に関連するUSDコイン(USDC)とイーサ(ETH)の44のアドレスをブラックリストに載せた

今回の禁止解除は、OFACが9月13日にトルネード・キャッシュに関する方針を明確化してから間もなく実施された。その際OFACは、米国市民が同社のコードをコピーしたり、オンラインで利用できるようにしても制裁に違反しないと宣言した。また、同社のウェブサイトがオンラインで再度利用できるようになった場合に、サイトの訪問を禁止しないとも述べた。

イーサリアムのブロックチェーンに構築されているトルネード・キャッシュは、ブロックチェーン上で情報の痕跡を難読化することによって仮想通貨の取引を秘匿し、ユーザーの匿名性を守ることができるツールだ。OFACが制裁措置を実施して以降、世界各地の規制当局がこのミキサーサービスに厳しい目を注ぐようになり、トルネード・キャッシュの開発者がプラットフォーム経由の資金洗浄に関与したとして逮捕されている