ジブラルタル金融サービス委員会(GFSC)は、分散型台帳技術(DLT)プロバイダーの運営規則を更新し、最新の金融活動作業部会(FATF)の規則を盛り込んだ。

GFSCは、迅速に変化するブロックチェーン業界に対応し、消費者保護と企業支援を両立することを目指したものだと指摘した。

今回更新されたガイダンスノートには、仮想通貨取引所(VASP)に関する最新のFATF勧告と、VASPが取引において顧客情報を収集して転送することを義務付ける「トラベルルール」が含まれている。GFSCはFATF勧告を遵守するために仮想通貨を、「財産」、「収益」、「資金」、「資金またはその他の資産」、またはその他の「対応する価値」とみなすべきとした。ジブラルタルはDLTプロバイダーを規制・監督の対象とし、活動に同国の「犯罪収益法(POCA)」を適用することで、リスクを軽減するという。

GFSCのガイダンスでは、VASPは「強固で正確な取引記録」を取得し、維持することが求められている。企業は、仮想通貨に関するリスクについて潜在的な投資家や顧客に最新情報を提供し、追加項目やオンボーディング・テストを要求する必要がある。

ジブラルタルのデジタル・金融サービス担当大臣であるアルバート・イソラ氏は、更新されたガイダンスにより、ジブラルタルは世界的な規制への対応に近づいたと述べている。

「最新のガイダンス・ノートのリリースは、これまで成功を収めてきたDLTプロバイダー規制フレームワークの発展に向けたもう一つの重要な一歩だ。進行中のFATF規制を順守する道を歩み始めたことは、規制の進化における重要なマイルストーンだ。更新の実施に携わったすべての関係者に感謝したい」 

ガイダンスに関する協議プロセスは2019年11月に開始され、GFSC、ジブラルタル新技術協会、DLTプロバイダーが参加した。

GFSCによると、ジブラルタルでライセンスを取得しているブロックチェーン・仮想通貨企業は、投資仲介プラットフォームを提供するイートロ(eToro)や大手仮想通貨取引所フォビ、ザポ(Xapo)、LMAX、メキシコの仮想通貨取引所ビットソー(Bitso)、Gnosisを含む13社に達しているという。また、最近米国で初めてセキュリティトークンによるIPOを実施しているINXもジブタルタルを拠点としている。

ジブラルタルは、開放性と仮想通貨に関する最先端の規制枠組みによって、仮想通貨業界のリーダーとして認識されている。ジブラルタルは、次の仮想通貨ホットスポットとされている。

2019年にはジブラルタル証券取引所(GSX)がブロックチェーンに基づいた証券の上場開始を発表。分散型台帳技術(DLT)を使用することで流動性を高め、資本市場の民主化を促進するとしている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン