ドイツのバイエルン州検察当局は、1200万ユーロ(1390万ドル、約15億円)相当の押収した仮想通貨を売却した。押収物の売却額としてドイツ史上最高額となった。現地メディアのターゲスシュピーゲルが28日に伝えた。
報道によると、1312ビットコイン(BTC)に加え、1399ビットコインキャッシュ、1312ビットコインゴールド、220イーサリアムを含む相当量の仮想通貨が売却されたという。刑事訴訟で押収された仮想通貨は、2か月の間に1600件にのぼる個々の取引で売却された。検察当局は今回の売却について以下のようにコメントした。
「あらゆる仮想通貨は、価格変動が大きいリスクに加え、全損のリスクにもさらされているため、バイエルン州中央サイバー犯罪対策局は緊急売却を命じた」
わずか数セントの値段で20万冊以上の電子書籍とオーディオブックを違法に提供していたオンラインプラットフォーム「リーゼン・ウント・ラウシェン」に対する刑事訴訟で今回の仮想通貨が押収された。ターゲスシュピーゲルによると、少なくとも3万人が同プラットフォームを利用していたという。バイエルン州中央サイバー犯罪対策局の職員は、昨年6月に同サイトの運営者たちを逮捕し、その後、同サイトを閉鎖した。
犯罪捜査で差し押さえられた資産を競売にかけることは、世界中の法執行機関により一般的に行われていることだ。ドイツ当局が仮想通貨の売却で1400万ドル近く集めた一方、米国の連邦保安局は今年1月、民事訴訟と刑事訴訟で押収した3812BTCを売り、4000万ドル以上を集めた。
昨年ブルガリアの警察は、不正を働く税関職員をリクルートしていた組織的犯行グループのメンバーを逮捕した後、21万3519BTCを押収した。押収した当時、差し押さえたBTCの金額は、ブルガリアの国債の5分の1を支払うのに十分な額である約33億ドルだったが、現在その価値は約15億ドルとなっている。本記事執筆時点でBTCは7101ドルで取引されている。