ドイツのコメルツ銀行と鉄鋼会社ティッセンクルップは、ブロックチェーン上で50万ユーロの試験的な為替(FX)先渡取引を完了した。コインテレグラフ・ドイツ版が24日に報じた。

 50万ユーロの3ヶ月物EUR/PLN先渡取引は、コメルツ銀行の取引プラットフォーム「FXライブトレーダー」上で、ティッセンクルップにより水曜に開始された。取引はその後、R3ブロックチェーン・コンソーシアムの分散型台帳技術(DLT)「コルダ」を通して、直接承認された。

 仮想通貨を支えるブロックチェーン技術の利用は、取引の遅延や人為的ミスを減らすと共に、「外国為替取引における業務リスクを大幅に減少させる」と、コメルツ銀行はウェブサイトで述べている。取引は単独の改ざん不可能な記録として保管されるため、同期の作業が不要になるからだ。

 コメルツ銀行の債券部門トップ、ニコラウス・ギースベルト氏は、ブロックチェーンは自己充足型の一元的なネットワークと詐欺を防ぐ信頼性の高い取引処理を通して、低額の取引手数料とデータの安全性を実現する、と述べる。

「マッチング処理中に起こる問題の解決に、多くのリソースが注ぎ込まれている。この取引は、分散型台帳の利用がこの分野における業務プロセスをどのように変え、デジタル化できるのか、実証するものだ」

 世界の銀行と金融機関が最近、さまざまな種類の取引で、ブロックチェーンの試験的な運用を実施している。スペインのBBVA銀行は4月下旬、ブロックチェーン上で融資を実行した世界初の銀行となった。同銀行によれば、分散型台帳の利用により、7500万ユーロの融資にかかる時間が、「数日から数時間に」短縮されたという。

 日本の三菱UFJフィナンシャルグループは今週、タイ中央銀行の規制サンドボックス制度で、タイのアユタヤ銀行及びスタンダードチャータード銀行と、国際決済の実証試験を実施した

 アルゼンチンの銀行、バンコ・マスベンタス(BMV)は最近、ブロックチェーンベースの金融サービスプロバイダー、ビテックス社との提携を発表した。この提携により同社顧客は、SWIFTの代わりにビットコインを使って、外国との取引を行えるようになる。