13時時点のポンド円は、前日比0.1%ポンド高の141.35円。ただ、1月2日の始値144.10円からは3円近くの円高・ポンド安となっている。ポンド安の背景の1つは、イギリスのEU離脱問題だ。
予定通り1月末までにイギリスがEUから離脱したとしても、「イギリスのいいとこ取り」を阻止したいEUと、イギリスとのFTA(自由貿易協定)はかなり難航するとの見方が多い。EUがこれまでFTA締結に要した期間は最短で4年で、年末までの交渉でまとまるのは難しい。もし交渉が決着しない場合は、「無秩序な離脱」となってしまう点が懸念されているのだ。
さらに、3日に米国がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したと発表したことで、中東の地政学リスクが高まっている。イラン政府は、ソレイマニ司令官の殺害を受けてウラン濃縮活動すべての制限を撤廃すると表明。米国とイランの緊張が高まっているのだ。
リスクオフの円高が進み、ポンド円の上値も重たくなっている。
本日の経済指標では、18時半に発表される12月非製造業PMI(予想49.1)に注目している。外部環境の影響が大きいだろうが、イギリスの景況感もチェックしておきたい。
ポンド円のテクニカル分析と相場見通し
今日のポンド円予想レンジ 139.50~142円
昨年12月23日に安値141.18円をつけた後にリバウンドしていたポンド円だが、中東の地政学リスクの高まりにより、年初から再び売られる展開。本日の安値は140.85円と12月23日に安値を下回った。
現在は少し戻しているが、再び下値を試すようだと140円割れも視野に入るので警戒が必要だ。