米ゲーム小売大手ゲームストップ(GME)の株価は、17億5000万ドル規模の私募転換社債の発行を発表した後、時間外取引で11.7%下落した。この資金調達は、ビットコインの追加購入資金に充てられる可能性もあると見られている。
ゲームストップは、前日6月10日の時間外に発表された第1四半期決算で売上高が前年同期比17%減となったことを受け、通常取引時間中にも5.34%下落し、終値は28.55ドルとなった。
既に5億1300万ドル相当のBTCを購入済み
米国のゲーム・家電小売業者であるゲームストップは、今回の社債による調達資金の用途について明言はしていないものの、投資方針に沿った資産運用や買収に充てると説明している。
なお、同社は5月28日に転換社債による15億ドルの資金調達の一部を用いて、4710BTC(当時約5億1300万ドル相当)を購入していた。
近年では、ビットコインの保有を目的とした上場企業による資金調達手段として、転換社債が広く利用されている。
ビットコイン保有量のデータを集計するBitcoinTreasuries.NETによれば、ゲームストップは現在、企業として世界で13番目に多くのビットコインを保有している。
今回の17億5000万ドルの私募転換社債は利率0%で、償還期限は2032年6月15日とされている。
また、初期購入者には最大2億5000万ドル分の追加購入オプションも付与されており、社債はゲームストップの裁量により、現金またはGME株式、あるいはその組み合わせで転換される。
売上不振が株価を押し下げる
今回の発行発表に先立ち、ゲームストップは2025年第1四半期決算において、4480万ドルの黒字を計上し、2024年第1四半期の3230万ドルの赤字から業績を大きく回復させた。
しかし、売上高は17%減の7億3240万ドルにとどまり、市場予想を下回ったことが、6月10日の時間外取引での株価急落を招いた。
ビットコイン購入後、GME株は下落基調に
グーグルファイナンスによると、ゲームストップが初のビットコイン購入を公表した5月28日以降、GME株は18.5%下落している。
さらに、今回の時間外取引での11.7%の下落も加味すると、3月25日にビットコイン投資計画を初めて公表して以降の株価上昇分はすべて帳消しになった形だ。
このような株価の動きは、ビットコイン購入やその計画を発表した他の多くの上場企業が株価上昇を経験している状況とは対照的な動きだ。