G7(主要7ヵ国)は、13日の財務相・中央銀行総裁会議でCBDC(中央銀行発行のデジタル通貨)に関する共同声明を発表し、デジタル人民元の開発で先行する中国を牽制した。

G7は、「公共セクターが法定通貨の供給や独立した金融政策の実施、規制や監視役を通して、支払いシステムの効率性や安全性、金融の安定、マクロ経済の目標達成を保証するのに重要な役割を果たしている」とした上で、「この文脈において複数のG7機関が中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)の機会とリスクを検討している」と指摘。次のように続けた。

「国内支払いシステムや国際金融システムの安定性への自信は、公共セクターの透明性や法律、健全な経済ガバナンスへの長きにわたる信頼できるコミットによって支えられている。我々は支払いシステム内での既存の摩擦に対処して継続的な改善を促すことにコミットする」

日本経済新聞によると、麻生太郎財務相はG7声明の意図について会議後の記者会見で「『中国さん、あんた透明性は大丈夫?』という話だ」と述べた。

中国はCBDC開発で先行している。

先週末、中国広東省深セン市は、中国人民銀行(PBoC)と協力して、合計で1000万元(約1億5700万円)分の中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元を配布すると報じられた

未だにCBDC検討段階である日本や米国、欧州諸国に対して開発速度で圧倒している。

実際、中国のデジタル人民元開発に対して危機感を募らせる政府関係者もいる。

財務省の岡村健司財務官は、中国のデジタル人民元開発の潜在的なリスクについて「先行者のアドバンテージは私たちが恐れるべきものだ」と警鐘を鳴らした

ステーブルコイン 開発にも言及

またG7は、声明文の違う段落でステーブルコインに関しても言及。「関連する法律、規制、その他の当局からの要求に対して適切なデザインによる対応と適切な標準への支持表明が十分なされるまで、いかなるステーブルコインのプロジェクトも開始するべきではないという立場を引き続き維持する」と述べた。

G7は昨日フェイスブックが発行に向けて進めている仮想通貨リブラに言及し、適切な規制が導入されるまでは計画に反対すると述べていた