ビットコイン(BTC)の採掘難易度が高騰し、マイニングの収益性が低下する中、米コロラド州に拠点を置くビットコインマイナーのクルーソー・エナジー・システムズは、BTCマイニング事業者グレート・アメリカン・マイニング(GAM)の事業資産の買収を発表した。
この取引により、GAMの事業はクルーソーに統合され、約4000個の特定用途向け集積回路(ASIC)仮想通貨マイニングリグが加わった。クルーソーによると同社の能力が約9%増加することになるという。
GAMは、ポータブルBTCマイニング施設(ASICマイナーを搭載した車両トレーラー型のコンテナ)を建設・配備し、石油・ガス会社が廃棄することになった天然ガスをBTCマイニング施設の電力として利用できるようにすることを目的としている。
クルーソーは、買収後、約125台の廃ガス式コンテナを配備・運用し、年間約17万台の自動車に相当するCO2排出量を削減することができるとしている。
この2つのマイニング事業の統合は、この業界が伝統的な市場と仮想通貨市場の両方からの圧力に直面し、さらにBTCの採掘難易度が過去最高となり、これらすべての要因がマイニング業者の収益性に悪影響を及ぼしていることを受けたものだ。
デジタル資産サービスプラットフォームMatrixportの戦略責任者マーカス・ティーレン氏はコインテレグラフに対し、過去2年間にマイニングハッシュレートの大半が米国に移動したことは、マイニング業界への景気後退のインパクトに「重大な結果」をもたらしたと話す。
「約20社のビットコインマイニング企業がIPO(新規株式公開)を通じて追加資金を調達し、株主が原資産であるビットコイン価格との高い相関性を要求した」と述べ、新しいマイニングマシンの発注は1年前に行われ、2022年の第3四半期にオンライン化する予定だったと説明する。その結果、マイニング企業は設備投資による負担が重荷なっているという。
マイナーの中には支出を補うために保有するビットコインのかなりの部分を売却するケースもあったが、ティーレン氏は「これだけでは不十分」とし、「業界の徹底的な再編」があるだろうと予想する。