仮想通貨取引所FTXのサム・バンクマン=フリードCEO(通称SBF)は、最近の問題がFTXインターナショナルにのみ影響すると発言してきた。同氏は、「米国拠点のFTX USは、財政的な影響を受けていない」という。FTX USは「100%流動的」であり、「すべてのユーザーが(ガス料金などを加減して)完全に出金できる」とユーザーに断言した。

しかし、FTX USのウェブサイトで発表された内容から、SBFの発言の正当性を疑問視する声が多く上がり始めている。FTX USのウェブサイトのトップにあるバナーには「FTX USでは数日中に取引が停止される可能性がある」と記載。ただこの発表では、取引所ユーザーに「ポジションを決済するように」と促す一方、「出金は可能であり、今後も可能である」と断言している。

FTXインターナショナルの流動性問題は、バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)がFTXトークン(FTT)を清算すると発表した後に問題が肥大化した。CZの発表は、FTXのユーザーが資金を引き出そうとしたときに、取引所がその需要を満たすのに十分な流動性を手にしていないことが判明するという取り付け騒ぎを引き起こした。

過去1週間以内に、バンクマン=フリード氏が投資家に対し、取引所が出金要求をカバーするために80億ドルの緊急資金を必要とし、30億ドルから40億ドルの調達を検討していると電話したとの報道も浮上している。