米連邦取引委員会(FTC)は、メタ社とマーク・ザッカーバーグCEOを提訴した。
27日にカリフォルニア州北部地区に提出された訴状の中で、FTCは、メタがバーチャルリアリティ企業ウィズイン(Within)とフィットネスアプリのスーパーナチュラル(Supernatural)を買収することは、米国の反トラスト法に従って違法であるとした。ソーシャルメディア企業が「実力で競争する」のではなく「トップへの道を買う」方法であると批判している。
今回の買収は、米国内企業間の「将来のイノベーションと競争上のライバル関係」を阻害することになると主張されている。
「Metaが十分に認識しているように、デジタルプラットフォームにおけるネットワーク効果は、より多くのユーザー、コンテンツ、開発者を獲得するにつれて、プラットフォームがより強力になり、ライバルが弱体化して真剣に競争できなくなることがある。新しいユーザー、コンテンツ、開発者の獲得は、それぞれ互いに影響し合い、自己強化サイクルを生み出し、企業の早期リードを定着させる。このような市場のダイナミズムは、例えば有用な製品機能の追加や従業員の追加雇用など、有益な方法で企業の競争力強化に拍車をかけられる」
FTCは、競争を促進し消費者を助けるために、メタによるウィズインの買収を阻止する計画であると述べている。
「メタの参入の可能性があるだけで、仮想現実専用フィットネスアプリ市場の競争に影響を与えた可能性が高い。もしメタがウィズインの買収を許せば、その競争圧力は緩むだろう」と述べた。
FTC seeks to block virtual reality giant Meta’s acquisition of popular app creator Within: https://t.co/b87juAolBw
— FTC (@FTC) July 27, 2022
メタが、自社の収益を脅かす可能性のある企業を買収するとする動きは、今に始まったことではない。2020年、FTCはフェイスブックに対して、2014年のワッツアップの190億ドル買収と2012年のインスタグラムの10億ドル買収について、イノベーションの阻害を巡る同様の懸念を理由に「反競争的行為」として提訴している。両アプリはそれぞれメッセージングサービスと写真共有を扱っており、フェイスブックのメッセンジャーアプリとフェイスブック自体のライバルとされていた。