仮想通貨取引所Zaifがハッキングされて約70億円相当の仮想通貨を消失させたことを受けて、金融庁は25日、発生原因の究明や顧客への対応などが不十分だったとしてZaifを運営するテックビューロに対して業務改善命令を出した。テックビューロに対して業務改善命令を出すのはこれで3回目だ。

金融庁は、流出の経緯や原因、顧客への対応などについてテックビューロ側の説明が不十分だと指摘している。テックビューロは20日にフィスコのグループ会社と50億円の金融支援を受けることで協議中と発表しているが、金融庁側に具体的な内容を報告していないという

金融庁は資金決済に関する法律の第63条の15第1項に基づき、テックビューロに対して下記の内容の業務改善命令を出した。

(1)流出事案の事実関係及び原因の究明(責任の所在の明確化を含む)並びに再発防止策の策定・実行
(2)顧客被害の拡大防止
(3)顧客被害に対する対応
(4)3月8日付業務改善命令及び6月22日付業務改善命令の内容について、流出事案を踏まえて、具体的かつ
実効的な改善計画の見直し及び実行
(5)上記(1)から(4)までについて、平成30年9月27日(木)までに、書面で報告

金融庁は、テックビューロに対して今年の3月6月にも業務改善命令を出している。

金融庁では現在も職員が常駐し、テックビューロへの立ち入り検査を続けている。検査で把握した状況によってはさらに追加の行政処分を行う可能性も示唆した。状況によっては、業務停止命令や登録取消といったより厳しい措置が行われる可能性がある

【追記】9月25日22時45分

テックビューロは25日、金融庁から受けた業務改善命令についてプレスリリースを発表。同社によれば、9月下旬には50億円の金融支援が実行されることを前提として、準備・交渉を進めているという。その上で、「提供を受けた資金により、消失した仮想通貨を調達し、お客様の資産に被害が及ばないように万全の対応を行って参ります」としている。