ブロックチェーン結婚が増加?家事の分担や離婚もスムーズに

スマートコントラクトにより、ブロックチェーンは現実社会に一歩近づいた。

スマートコントラクトは署名され、提出されると、その記録が安全に永久保存される仕組みだ。この恒久性を利用して、ブロックチェーン上での「婚姻」と「婚姻契約」を可能にする多数のサービスが開発されている。

 

ブロックチェーンは永遠に

最初の結婚は、14年10月5日にブロックチェーンの公的レジストリに登録された。デビッド・モンドルスとジョイス・バヨの結婚式は、フロリダ州オーランドのディズニーワールドでプライベートなビットコイン会議で催行された。同婚姻の合法化のために、夫婦はQRコードをスキャンし、コンファームし、その後QRコードは、ビットコイン・ブロックチェーンに直接書き込まれた。 新郎新婦の宣誓は次のようなものだった。

人生は永遠ではなく、また死は我々を分かつだろうが、ブロックチェーンは永遠だ。

ブロックチェーンに登録された婚姻のもう一つの例として、2016年7月17日のビットコイン活動家のオレス・スロボデニュクとイリーナ・ドゥクノヴスカヤの婚姻がある。この結婚式で司会者はブロックチェーンのWeddingbook.ioプラットフォームに婚姻証明書を記録した。

このサイトでは、特別なオンラインインターフェイスを使用して、秘密のメッセージをビットコイン・ブロックチェーンにエンコードできるウェブサービス「クリプトグラフィティ」の機能を使用している。 結婚式の証明書を永久に記録するだけでなく、ブロックチェーンに立会人と結婚式の誓いのリストを保管することも可能だ。

すべての結婚がうまくいくわけではない。しかし開発者はブロックチェーンに登録するカップルの数が増大すると予想している。プラットフォームのなかには、婚姻登録だけでなく、婚姻契約として家族生活の諸条件を盛り込むことが可能なものもある。

 

家事の分担や家計管理など家族生活の諸条件も規定

IT開発者のガウラング・トルヴェカーとサヤリー・カラスカーは、16年にブロックチェーンで最初の婚姻契約を締結したことで知られている。婚姻契約書テンプレートを、クラウドベースのファイル・システム・ソリューションでダウンロードし、イーサリアム・ベースのアトレス・プラットフォームを使用してデジタル署名した。

「婚前同意書」(婚姻に先立ち、あらかじめ夫婦共有財産の範囲等を厳密に決めておくための同意書)には、例えば、買い物の頻度、自宅で行う雑用の量、夜間のデートに費やされる時間、どのテレビ番組を視聴するか等の同居の条件が述べられている

双方の当事者がIPアドレスから暗号化されたメッセージを送信した後、契約が有効になり、スマートコントラクトに反映された。この契約には公開コードがあり、すべての新郎新婦が使用できる。ただしこのような契約には、まだ法的強制力はない。新郎新婦は、彼らの決断について次のようにコメントしている。

私たちは、ブロックチェーンとその無限の可能性を、家族の問題解決に使用することにした。ブロックチェーンで婚姻契約することはスマートな決断だと思っている。

ブロックチェーンシステムを用いて契約したロシアで最初の結婚は2017年10月に登録された。ヴァジリ・リファノヴスキとアラ・タチェンコは、互いの仮想通貨預金を併せて同一の家族予算とした。この手続きは、結婚での様々な生活状況で仮想通貨の資産を管理することを目的とし、MyWishプラットフォームで実行された。

 

家計の統一も分割も容易に

この契約は、「婚前同意書」とは大きく異なる。マイウィッシュの婚姻契約の本質は、夫婦の貯蓄がスマートコントラクトによって、統一されることにある。契約が解除された場合、ウォレットに保管されているすべての資金は半分に分割される。契約解除の決断に後悔した場合、取り消すための猶予期間として、3ヶ月間の期間が設けられている。一方の当事者が死亡した場合、その資金は相続人または配偶者の口座に移される。夫によると、

ブロックチェーンについて最初に知った時、既存の経済制度の上に新たなネットワークが作られ、それには私たちも影響を与えることができる、ということに衝撃を受け、啓発されました。私は、ただ来る将来を受け止めて、その一部になるだけでなく、影響を与えることに決めました。家族を形成するにあたって、家計が様々な状況から守られることを確保したいと思っています。

 

離婚手続きを自動的に進めるための条件も設定できる

現在、結婚を可能にする既存のプラットフォームの他に、夫婦のための新しいプロジェクトの出現も予想されている。例えば、スコルコヴォのハッカソンフォーラムで17年6月に、モスクワから参加したチームのEvolve Teamがブロックチェーンの婚姻契約の新プロジェクト、ウェディングチェーンを発表。このサービスを使うと、スマートコントラクトで資産を維持し、相互同意で管理し、離婚時には蓄積した資金を分割することが可能だ。現在、このプロジェクトは準備段階だという。

ブロックチェーンで永遠の結婚、というロマンチックな側面とは別に、スマートコントラクトには極めて実用的な機能がある。統計上、離婚率は結婚の40〜50%に及ぶ。スマートコントラクトは、離婚に費やすエネルギーを最小限に抑えるのに役立つ。

例えば、離婚手続きを自動的に進めるための条件を規定できる。そのような契約は、公証人を必要とせず、手順全体を簡素化し、費用対効果を高める。スマートコントラクトはまた、離婚合意のプロセス促進ができる。

ブロックチェーンでの婚姻契約が法制度上も合法とされる可能性は十分ある。離婚費用の削減だけでなく、裁判所や登記所の負担も軽減できる。スマート契約は婚姻契約に最も便利な形態であることは明らかだ。このような背景から、上述のプラットフォームに続き、一連の関連プラットフォームが登場することが予想されている。