決済大手ペイパルの元社員2人が「より速く、安く、透明性の高い支払い」を目的としたクロスボーダー決済システムを立ち上げた。
フィンテック・インフラストラクチャー企業のシックス・クローバーズ(Six Clovers)は15日、銀行や加盟店、決済プロバイダーをつなぐネットワーク「Rapid」を立ち上げ、ユーザーが仮想通貨や法定通貨で取引できるようにしたと明らかにした。このネットワークは、ペイパルの元従業員であるジム。グエン氏とナス・カビアン氏によって設立された。ベンチャーキャピタルのボーダーレス・キャピタルが出資している。ネットワークはアルゴランドブロックチェーン上に構築された。
アルゴランドのCEOであるスティーブ・コキノス(Steve Kokinos)氏は、「シックス・クローバーズは、伝統的な金融と分散型金融の橋渡しをし、次世代のデジタル製品やサービスへのアクセスを拡大する」と述べた。
シックス・クローバーズのRapidは、クロスボーダー決済のためにSWIFTプロトコルを使用している決済業者の代替手段になる。Rapidは、アルゴランドブロックチェーン上で法定通貨をサポートすためにUSDコイン(USDC)を使用し、ピアツーピアのトランザクションを提供。1秒間に最大46,000件のトランザクションを処理できるという。
ボーダレス・キャピタルのCEOであるデビッド・ガルシア氏は、「規制されたステーブルコインでクロスボーダー取引を行い、オンチェーンで法定通貨をサポートすることはこれまでに行われてこなかった。このネットワークは、デジタルの未来を受け入れる必要性を感じている銀行、加盟店、決済業者間で、大量のブロックチェーン採用の波を解き放つことになるだろう」と述べた。
コンセンサス・アルゴリズムにプルーフ・オブ・ステイクを採用するアルゴランドは、4月時点で完全にカーボンニュートラルであると主張している。アルゴランドは、クライメート・トレード(ClimateTrade)と提携して「サステナビリティ・オラクル」を実装。チェーン上のカーボンフットプリントを公証した上で、同量のカーボンクレジットを 「グリーン・トレジャリー」にロックしている。