韓国のサムスンSDS、ABNアムロ銀行、オランダのロッテルダム港湾局は、韓国からオランダまで、ブロックチェーンプラットフォームを活用したコンテナの追跡実験に成功した。ザ・マリタイム・エグゼクティブが7月1日に報じた。
ブロックチェーンプラットフォーム「デリバー」はサムスンSDS、ABNアムロ銀行、ロッテルダム港湾局の3者が協力して開発。ペーパーレスで物流管理ができ、出荷されたコンテナを完全に追跡できる。サムスンやロッテルダム港湾局などは昨年10月からブロックチェーン活用に取り組んでいた。
今年3月の報道によれば、「デリバー」はイーサリアムとハイパーレジャーアプリケーションをサポート。書類の公証や二重払い防止、資産移転などさまざまな機能を備えているという。サムソンSDSのマネジャーのハン・スンヨプ氏は、以下のように述べている。
「韓国の通関サービスのカスタム・クリアランス・ブロックチェーン・システムは、ハイパーレジャー・ファブリックを基盤とする一方で、オランダ・ロッテルダム港はイーサリアムプラットフォームを使用する。(中略)。我々は異なるプラットフォームを繋げる目的でデリバープロジェクトを開始した」
また、ロッテルダム港湾局のポール・スミツ最高財務責任者(CFO)は、従来型の物流管理や出荷プロセスは常に紙作業が多く非効率的だと述べていた。
「支払い、管理業務、コンテナの物理的な輸送といった各プロセスはいまだにそれぞれ別々に実施されている。(中略)これが非効率化の原因で、多くの当事者らが関わり、すべてが書類を通じて組織化されている。例えば、中国からロッテルダム港へのコンテナ輸送には、平均28人の当事者らが関わっている」
今回実験を成功させた3者は、さらに今後、複数の試験プロジェクトを実施することに同意したという。将来的には国際規模で独立したプラットフォームを提供することを目標に進めていくとしている。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版