サンフランシスコ連邦準備銀行は7日、ビットコイン(BTC)価格が2万ドルの最高値から下落したのは、ビットコイン先物取引開始の結果であるとの認識を示した。

 同行のエコノミックレターには、「先物取引導入後の価格の急昇と、それに続く下落は、偶然には見えない」、「これはある資産への先物市場を導入する時、通常現れる取引の動きと一致する」と記されている。この研究によると、昨年12月中旬のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)によるビットコイン先物取引の導入と同時期にビットコインは最高値になった。その1週間前には、シカゴ・オプション取引所(CBOE)も取引量は少ないもののビットコイン先物取引を始めていた。

 ビットコイン価格急騰の唯一の要因は、価格が上昇していくと考えた楽観的な投資家にあるという。持続的な価格上昇がさらに多くの楽観的な投資家を引きつけ、需要をさらに増やした。ビットコイン先物取引が導入されるまで、ビットコインが下がると予想する投資家が、ビットコインを空売りしたり価格下落に賭けたりして利益を得る手段がなかった。この新たな投資の機会がビットコインの前日市場における需要の減少を引き起こし、続いて価格を下落させた。

「…ビットコイン先物取引の開始によって悲観的な投資家が市場に参入できるようになり、それがビットコインの価格動向の反転に寄与した」

 また、CBOEとCMEによる先物取引の開始後すぐにビットコイン価格が崩壊しなかったのは、先物市場でのビットコイン取引高が比較的少なかったためだと述べた。

 同文書によると、ビットコインの先物価格は、従来型の金融機関による需要と、ビットコインを担保、支払い、または直接投資の手段として採用するかに依存する。

「現在ビットコインが支配している市場で、他の仮想通貨が交換手段としてより広く使われるようになれば、ビットコインの需要は急激に減少するかもしれない」